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国土交通省が12月27日に発表した建築物着工統計による11年11月の建築物着工面積合計は10,645メ―トル(前年同月比3.6%増)で微増した。
▽建築主別の延べ床面積では、公共建築物が787千平方メートル(同31.3%増)であったが、民間建築物は9,858千平方メートル(同1.9%増)の微増となった。
▽用途別では、居住建築物(マンション・住宅など)は6,819千平方メートル(同0.4%増)の微増。非居住建築物(ビル・工場・店舗など)は3,826千平方メートル(同9.9%増)で2ヵ月連続の増加となった。
▽構造別では、鉄骨系建築物は、S造は3,441千平方メートル(同2.9%減)の3ヵ月連続減。SRC造も109千平方メートル(同25.0%減)と3ヵ月連続の大幅減となった。RC造は2,476平方メートル(同33.4%増)と2ヵ月連続増。W造も4,564千平方メートル(同2.0%減)3ヵ月連続の減少となった。
▽鉄骨需要換算では、S造は34万4,100トンで、SRC造が5,450トンの鉄骨計34万9,550トン(同8.8%増)となった。前月比では0.9%微増である。
10年11月−11年11月 鉄骨需要量の推移
| 年 / 月
|
S 造 |
前年比 |
SRC造 |
前年比 |
鉄骨造合計 |
| 10/11 |
354,300
|
9.3
|
7,300
|
-26.4
|
361,600
|
| 12 |
322,800
|
7.3
|
9,000
|
44.5
|
331,800
|
| 11/1
|
305,600
|
1.8
|
15,600
|
-16.8
|
321,200
|
| 2 |
277,800
|
-2.8
|
16,100
|
60.5
|
293,900
|
| 3 |
343,200
|
-2.9
|
14,900
|
-33.1
|
358,100
|
| 4 |
354,100
|
7.8
|
14,000
|
3.1
|
368,100
|
| 5 |
323,100
|
-0.4
|
21,000
|
145.6
|
344,100
|
| 6 |
400,100
|
19.3
|
13,500
|
55.1
|
413,600
|
| 7 |
386,600
|
2.7
|
13,000
|
68.2
|
399,600
|
| 8 |
387,100
|
11.9
|
12,650
|
44.3
|
399,750
|
| 9 |
304,300
|
-20.7
|
9,000
|
-20.1
|
313,300
|
| 10 |
340,100
|
-2.6
|
6,200
|
-58.5
|
346,300
|
| 11 |
344,100
|
-2.9
|
5,450
|
-25.0
|
349,550 |
(国土交通省調べ)
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2012暦年の建築鉄骨需要の動向
前年比2割増の510万トン台を予測
2011年(1月−11月)の鉄骨需要は月平均35万5,230トン水準で推移し、11暦年需要量は約426万トン台の規模になる見通しだ。12暦年鉄骨需要予測を大胆にしてみると、まず東日本大震災(3・11)の本格的復興事業・再生計画によって内需喚起となり、景気浮揚とともに夏期以降の建築需要が増大するとみる。鉄骨需要は、1〜3月=35万トン台、4〜6月=40万トン台、7〜9月=45万トン台、10〜12月=47万トン台で、月平均42万3,000トンの510万トン(前年対比19.7%増)と予測する。その予測根拠を具体的に挙げてみる。
まず、建築着工統計によれば建築床面積は2億以上を維持してきたものが、この10年間平均では1億6,300万平方メートルと2割減少である。着工面積の4割が鉄骨建築物(S造36%、SRC造4.0%)で6,520平方メートル。鉄骨量換算で641万トン。この10年間と直近3年間の鉄骨需要を対比すれば159万トン減の482万トンである。12年は<3・11復興元年>。復興事業・再生計画が軌道に乗れば、建築着工面積は2億平方メートルに回復するとみられる。
建設・建築需要減の主要因は、民主党による政権交代は<コンクリートから人へ>と公共事業費の2割近い削減である。さらに景気低迷によって設備投資需要も冷えたことも要因だ。11年度補正予算は第1−3次で18兆1,166億円が復旧・復興事業になり、第4次案でも2.5兆円が組まれ総額20兆超円以上に積み上がる。さらに野田政権は24日の閣議で12年度予算案を実質96兆円(一般会計90兆3.339億円)とした。復興事業費は十分に措置されるとなれば後は、その実行・執行に係っている。
復興事業・再生計画が具体化するには早くても12年度以降になる。本格的な建設需要につながるには夏以降とみられる。まずは、各種生産工場・流通・倉庫施設、商業施設や事務所など業務施設、そして市町村庁舎や公共施設となる。このうち、工場・物流や商業施設などの鉄骨建築は比較的早く建ち上がりとみられ、7月以降需要増に寄与し、鉄骨は月間当たり45万トン台に乗り、ファブ業界も一息つける状況になる。
一方、新日本製鉄と住友金属工業が10月1日合併し、新生「新日鉄住金」となる。総合製鉄メーカーとしては世界トップに君臨する。鉄鋼生産量も7,000万トン規模になる。11年粗鋼生産量は、3・11と原発事故によるサプライチェーン寸断などもあったが1億トンを維持した。日本鉄鋼連盟の12年粗鋼生産量は1億0,500トン〜600トンを想定しているが、建設・建築鋼材への期待は大きい。
11年の建設・建築需要も落ち込み率は3.8%と00年以降最低水準のため新規建設・建築需要減だった。しかし、大手ゼネコンは3・11の廃棄物処理などで一部カバーできたが準大手や中堅ゼネコンには厳しい状態が続いた。この要因には、GDP(国内総生産)が中国に抜かれるも、75円台を推移する超円高による不況。タイ洪水による日本企業の生産停止による減産。3・11自粛や政治の不安定、企業不祥事が相次ぐなど需要喚起につながる要因がなかった。
景気浮揚策は、まず野田政権の補正予算の迅速執行と12年度予算の年度内成立である。さらに懸案事項である辺野古移設、TPP交渉、国会議員削減、国家公務員改革の決断とムダの削減断行にかかっている。景気回復策の一環としての建設投資、復興事業に取り組めば、建築需要は確実に増大する。
東北3県の復興事業計画が具体化されれば、鉄骨、橋梁、鉄塔、プラントなど鋼構造物の設備投資が旺盛になる。この需要喚起が呼び水になり、鉄骨は510万トン超えに復活する。
世界2位の「新日鉄住金」が10月に誕生
=公取委= 異例の早期審査
公正取引委員会は12月14日、鉄鋼国内首位の新日本製鉄と同3位の住友金属工業の合併を条件付きで承認すると発表した。公取委2次審査を今年2月7日だったが、統合によってシェアが高まる無方向電磁鋼板など、問題解消措置の実施を前提に異例のスピードで判断を下した。両社は4月に合併契約を締結し、6月の株主総会での決議を経て10月1日に合併をめざす。今後、海外独禁当局からも承認されれば、世界首位のアルセロール・ミッタル(ルクセンブルク)に次ぐ世界2位の鉄鋼メーカー、「新日鉄住金」が誕生する。
公取委は新日鉄と住金が競合する約30にわたる取引分野を審査し、シェアが拡大する製品や、ユーザーのアンケート調査を実施。モーターの材料となる無方向性電磁鋼板(国内市場シェアが55%)と高圧ガス導管エンジニアリング(同60%)については、両社が市場独占を防ぐ問題解消措置が必要とすることで、実質的な制限をすることで認めた。
両社は、無方向性電磁を新たな競争者を作り出すために住友金属が販売している無方向性電磁鋼板に係る商権を住友商事に譲渡するとともに合併後5年間、生産原価で供給する。顧客名簿の引き継ぎを行うほか納入使用の決定やクレーム対応に関する技術サポートを行う。
また、高圧ガス導管は新日鉄の日鉄パイプラインと住金の住友金属パイプエンジの子会社が設計・施工管理業務を行っている。両社が同措置として、新規参入者に対して子会社と同等の条件で供給するとともに、自動溶接機の譲渡と技術指導を実費で行う。同製品とも競争条件が担保されるとともに、新規参入者が見込みにくいことなどから実質的な影響は軽微とみられている。
一方、鋼矢板とスパイラル鋼管の国内需要が縮小し、コンクリート製品との競合からもユーザーから競争圧力が働いていることを認めた。熱延鋼板は海外製品による輸入圧力やユーザーの競争圧力があり、H形鋼もユーザーの競争圧力が働いていると評価した。両社は今後、中国など海外約10ヵ国の独禁当局の判断を待つことになる。
公取委の独禁法上問題ないと回答し、異例の早期承認の背景には国際競争力向上を待ったなし迫られている日本企業の厳しい現状にある。従来の合併審査は、国内の寡占・独占状態の排除に傾きがちだったが、今や世界市場で勝ち残れるか否かに係っている日本の企業である。今回の判断には、そうした配慮も伺える。統合新会社は、年産7,000トン規模の総合鉄鋼メーカーとして新たな牽引力でリードすることに期待が係っている。
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