株式会社スノウチ
*スノウチニュースは毎月1日発行です。
編集内容は [1] プロジェクト情報(鉄骨物件)、[2] 鉄骨市況(傾向分析)、[3]あれこれ(話題)等で構成します。
     
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「スノウチニュース」No.86
平成24年1月号

 
     
 

迎 春

“復興促進元年”として今年も被災地へ
温かい支援の輪を拡げましょう!

2012年 元旦
株式会社スノウチ

 
   
 

【スノウチからの情報】
千客万来!

 
     
 

  新年を迎え、東日本大震災の被災地、被害に遭われた企業に、一日でも早い復興が叶いますよう心から念願いたします。弊社としましても鉄構関連企業への協力を続けて参ります。
  弊社は、生産・デリバリー拠点を本社(千葉県)、東広島(広島県)、綾瀬(神奈川県)の3ヵ所に置き、出荷の効率性と危機管理に対応しております。また、本社においては、技術サポートチームによって建築鉄骨製作の生産効率や鋼材、加工、検査などの諸基準・規準についての場(スノウチ技術サロン)を提供・協力しております。
  弊社は浦安鉄鋼団地内。必ずしも立地条件は良くはありませんが、構造設計者、鋼材・建材メーカー関係者、溶接・検査技術者らが立ち寄って、鉄骨製作に伴うディスカッションの場にもなっています。また、中国や韓国・タイなど海外情報も集まる情報源にもなっています。さらに溶接技能者へのエンドタブ・裏当て材施工などの知識や施工指導。各種講習会などにも協力しております。事前にお申し出があれば対応させて頂きます。
  こんなアイデアがあるが実用化できるだろうか。 エンドタブの勘所を教えて欲しい。溶接部品質を良くしたい――など、鉄骨に関する悩みや意見交換、コミュケーションの場としてお気軽に活用して頂ければ幸いです。

<千客万来>みなさま方のお越しをお待ちしています。
(スノウチ・技術サポート担当)

 
   
 

【鉄骨建築統計】
11月の鉄骨造需要量は34万9,550トン
前年同月比8.8%増、前月比では0.9%微増

 
     
 

  国土交通省が12月27日に発表した建築物着工統計による11年11月の建築物着工面積合計は10,645メ―トル(前年同月比3.6%増)で微増した。 
  ▽建築主別の延べ床面積では、公共建築物が787千平方メートル(同31.3%増)であったが、民間建築物は9,858千平方メートル(同1.9%増)の微増となった。
  ▽用途別では、居住建築物(マンション・住宅など)は6,819千平方メートル(同0.4%増)の微増。非居住建築物(ビル・工場・店舗など)は3,826千平方メートル(同9.9%増)で2ヵ月連続の増加となった。
  ▽構造別では、鉄骨系建築物は、S造は3,441千平方メートル(同2.9%減)の3ヵ月連続減。SRC造も109千平方メートル(同25.0%減)と3ヵ月連続の大幅減となった。RC造は2,476平方メートル(同33.4%増)と2ヵ月連続増。W造も4,564千平方メートル(同2.0%減)3ヵ月連続の減少となった。
  ▽鉄骨需要換算では、S造は34万4,100トンで、SRC造が5,450トンの鉄骨計34万9,550トン(同8.8%増)となった。前月比では0.9%微増である。

10年11月−11年11月 鉄骨需要量の推移

年 / 月

S 造 前年比 SRC造 前年比 鉄骨造合計
10/11 354,300

9.3

7,300

-26.4

361,600

12 322,800

7.3

9,000

44.5

331,800

11/1

305,600

1.8

15,600

-16.8

321,200

2 277,800

-2.8

16,100

60.5

293,900

3 343,200

-2.9

14,900

-33.1

358,100

4 354,100

7.8

14,000

3.1

368,100

5 323,100

-0.4

21,000

145.6

344,100

6 400,100

19.3

13,500

55.1

413,600

7 386,600

2.7

13,000

68.2

399,600

8 387,100

11.9

12,650

44.3

399,750

9 304,300

-20.7

9,000

-20.1

313,300

10 340,100

-2.6

6,200

-58.5

346,300

11 344,100

-2.9

5,450

-25.0

349,550

(国土交通省調べ)
 
   
 

【建築・鉄骨ニュース】

 
     
 

2012暦年の建築鉄骨需要の動向
前年比2割増の510万トン台を予測

  2011年(1月−11月)の鉄骨需要は月平均35万5,230トン水準で推移し、11暦年需要量は約426万トン台の規模になる見通しだ。12暦年鉄骨需要予測を大胆にしてみると、まず東日本大震災(3・11)の本格的復興事業・再生計画によって内需喚起となり、景気浮揚とともに夏期以降の建築需要が増大するとみる。鉄骨需要は、1〜3月=35万トン台、4〜6月=40万トン台、7〜9月=45万トン台、10〜12月=47万トン台で、月平均42万3,000トンの510万トン(前年対比19.7%増)と予測する。その予測根拠を具体的に挙げてみる。
  まず、建築着工統計によれば建築床面積は2億以上を維持してきたものが、この10年間平均では1億6,300万平方メートルと2割減少である。着工面積の4割が鉄骨建築物(S造36%、SRC造4.0%)で6,520平方メートル。鉄骨量換算で641万トン。この10年間と直近3年間の鉄骨需要を対比すれば159万トン減の482万トンである。12年は<3・11復興元年>。復興事業・再生計画が軌道に乗れば、建築着工面積は2億平方メートルに回復するとみられる。
  建設・建築需要減の主要因は、民主党による政権交代は<コンクリートから人へ>と公共事業費の2割近い削減である。さらに景気低迷によって設備投資需要も冷えたことも要因だ。11年度補正予算は第1−3次で18兆1,166億円が復旧・復興事業になり、第4次案でも2.5兆円が組まれ総額20兆超円以上に積み上がる。さらに野田政権は24日の閣議で12年度予算案を実質96兆円(一般会計90兆3.339億円)とした。復興事業費は十分に措置されるとなれば後は、その実行・執行に係っている。
  復興事業・再生計画が具体化するには早くても12年度以降になる。本格的な建設需要につながるには夏以降とみられる。まずは、各種生産工場・流通・倉庫施設、商業施設や事務所など業務施設、そして市町村庁舎や公共施設となる。このうち、工場・物流や商業施設などの鉄骨建築は比較的早く建ち上がりとみられ、7月以降需要増に寄与し、鉄骨は月間当たり45万トン台に乗り、ファブ業界も一息つける状況になる。
  一方、新日本製鉄と住友金属工業が10月1日合併し、新生「新日鉄住金」となる。総合製鉄メーカーとしては世界トップに君臨する。鉄鋼生産量も7,000万トン規模になる。11年粗鋼生産量は、3・11と原発事故によるサプライチェーン寸断などもあったが1億トンを維持した。日本鉄鋼連盟の12年粗鋼生産量は1億0,500トン〜600トンを想定しているが、建設・建築鋼材への期待は大きい。
  11年の建設・建築需要も落ち込み率は3.8%と00年以降最低水準のため新規建設・建築需要減だった。しかし、大手ゼネコンは3・11の廃棄物処理などで一部カバーできたが準大手や中堅ゼネコンには厳しい状態が続いた。この要因には、GDP(国内総生産)が中国に抜かれるも、75円台を推移する超円高による不況。タイ洪水による日本企業の生産停止による減産。3・11自粛や政治の不安定、企業不祥事が相次ぐなど需要喚起につながる要因がなかった。
  景気浮揚策は、まず野田政権の補正予算の迅速執行と12年度予算の年度内成立である。さらに懸案事項である辺野古移設、TPP交渉、国会議員削減、国家公務員改革の決断とムダの削減断行にかかっている。景気回復策の一環としての建設投資、復興事業に取り組めば、建築需要は確実に増大する。
  東北3県の復興事業計画が具体化されれば、鉄骨、橋梁、鉄塔、プラントなど鋼構造物の設備投資が旺盛になる。この需要喚起が呼び水になり、鉄骨は510万トン超えに復活する。

 

 

世界2位の「新日鉄住金」が10月に誕生
=公取委= 異例の早期審査

  公正取引委員会は12月14日、鉄鋼国内首位の新日本製鉄と同3位の住友金属工業の合併を条件付きで承認すると発表した。公取委2次審査を今年2月7日だったが、統合によってシェアが高まる無方向電磁鋼板など、問題解消措置の実施を前提に異例のスピードで判断を下した。両社は4月に合併契約を締結し、6月の株主総会での決議を経て10月1日に合併をめざす。今後、海外独禁当局からも承認されれば、世界首位のアルセロール・ミッタル(ルクセンブルク)に次ぐ世界2位の鉄鋼メーカー、「新日鉄住金」が誕生する。
  公取委は新日鉄と住金が競合する約30にわたる取引分野を審査し、シェアが拡大する製品や、ユーザーのアンケート調査を実施。モーターの材料となる無方向性電磁鋼板(国内市場シェアが55%)と高圧ガス導管エンジニアリング(同60%)については、両社が市場独占を防ぐ問題解消措置が必要とすることで、実質的な制限をすることで認めた。
  両社は、無方向性電磁を新たな競争者を作り出すために住友金属が販売している無方向性電磁鋼板に係る商権を住友商事に譲渡するとともに合併後5年間、生産原価で供給する。顧客名簿の引き継ぎを行うほか納入使用の決定やクレーム対応に関する技術サポートを行う。
  また、高圧ガス導管は新日鉄の日鉄パイプラインと住金の住友金属パイプエンジの子会社が設計・施工管理業務を行っている。両社が同措置として、新規参入者に対して子会社と同等の条件で供給するとともに、自動溶接機の譲渡と技術指導を実費で行う。同製品とも競争条件が担保されるとともに、新規参入者が見込みにくいことなどから実質的な影響は軽微とみられている。
  一方、鋼矢板とスパイラル鋼管の国内需要が縮小し、コンクリート製品との競合からもユーザーから競争圧力が働いていることを認めた。熱延鋼板は海外製品による輸入圧力やユーザーの競争圧力があり、H形鋼もユーザーの競争圧力が働いていると評価した。両社は今後、中国など海外約10ヵ国の独禁当局の判断を待つことになる。
  公取委の独禁法上問題ないと回答し、異例の早期承認の背景には国際競争力向上を待ったなし迫られている日本企業の厳しい現状にある。従来の合併審査は、国内の寡占・独占状態の排除に傾きがちだったが、今や世界市場で勝ち残れるか否かに係っている日本の企業である。今回の判断には、そうした配慮も伺える。統合新会社は、年産7,000トン規模の総合鉄鋼メーカーとして新たな牽引力でリードすることに期待が係っている。

 
   
 

【トピックス】

 
     
 

国際コンベンション・生産支援施設計画
羽田空港跡地 =東京・大田区=

  東京・大田区は、羽田空港の一部跡地を活用した国際コンベンション・生産支援施設建設の具体化に向け、今後、検討するためのモデル基礎プランまとめた。ものづくり産業や文化の広域的交流拠点機能と地域産業支援機能の複合施設を想定し、施設建設の立地適性や施設機能などの課題を調査・検討する。モデルプランは規模の異なる2つのプランを叩き台とし、建物や都市基盤整備に関わる手法など検討する。具体化に向け事業の実現化とさまざまな可能性を探る。
  2つのモデルプランは、コンベンション施設と会議スペース、産業支援施設をコンパクトにまとめた「施設構成シンプル案(A案)」と、アネックスホールの設置や会議スペースの拡張などにより競争力を強化した「施設構成充実案(B案)」となっている。
  A案(シンプル案)は、展示ホール延べ床面積1万2,000平方メートルのほか、会議室やホワイエなどコンベンションとしての必要最低限の機能を想定し、ものづくり産業支援施設や大田区羽田の歴史コーナーなど設置し、想定規模は3階建て延べ床面積2万7,000平方メートル。さらに野外展示場や駐車場など盛りだくさんの構想だ。
  一方のB案(充実案)は、アネックスホールの設置や会議室スペースの拡張などにより競争力を強化したプラン。高層部を6階建てに設定し、3,000平方メートルのアネックスホールを設置するほか、会議室の有効面積を1,300平方メートルから5,000平方メートルに拡張する。延べ床面積4万7,000平方メートルの施設となる。
  施設建設の概算整備費は、A案では約117億0,500万円。B案で約207億0,500万円を試算している。このほか、宿泊施設を備えたプランなども調査の対象にしたが、第2ゾーンで民間による宿泊施設や複合施設の整備を検討していることから除外する方針だ。

 
   
 

【今月の数字学】

 
     
 

84万2,600人

  第42回東京モーターショー2011(12月2日〜11日)は、東京・江東区の東京ビッグサイトで開催。入場者数は目標の80万人を突破し、前回の37%増の84万2,600人を記録し、千葉・幕張メッセから24年ぶりの東京開催となったため、平日でも6.5万人を超える熱心なモーターファンが参観。土日には10万から14万人を超え、熱狂的なカーマニアから少年グループや家族連れなども目立った。
  東京モーターショーは国内メーカー14社・15ブランド、海外メーカー21社・25ブランドの展示となった。入場者数は、1991年の201万8,500人をピークに若者の車離れなどもあって、減少傾向が続いていた。今回は会場を都心に近い有明地区の東京ビッグサイトに戻し、月〜土の開場時間を午後8時までの2時間延長するなど来場者増を狙った工夫の成果。次回開催は13年秋を予定している。

 

10.4%

  リクルート調査機関のリクルートワークス研究所が発表した13年卒業予定の大学生・大学院生の採用調査によると、12年卒よりも「増やす」と答えた企業の割合は、前年調査より1.1ポイント増の10.4%だった。一方、「減らす」と答えた企業は1.1%減の6.4%で、12年卒対象とした前年に続き「増やす」が「減らす」を上回った。
  同研究所は、「企業が採用を抑制し人材の不足感が出ている上、景気回復の兆しがみられ、採用意欲が高まった」と分析。大学4年生の10月時点の就職内定率は過去2番目の低水準だが、13年卒の3年生は就職環境がやや改善しそうだ。同調査は、従業員5人以上の企業6,829社に対して実施し、4,673社(68.4%)が回答した。

 
   
 
冬扇夏炉 (17)
   24年1月
ルビコン渡ったが〜
 

  2061年前(紀元前49年)の1月12日、ガリア征圧をしたガイウス・ユリウス・カエサル(50歳)は、ローマ共和国元老院の寡頭制打破のため北伊属州とローマ共和国の境に流れるルビコン川を前に「賽は投げられた!敵の待つところへ」と叫び、1個軍団を率いて渡った。この電撃進攻に首都ローマの執政官・元老院らはギリシャに逃亡する。渡河4ヵ月後、カエサルはローマに無血入城を果たす。<ローマは想定外だった>電撃によって功奏した。
  野田佳彦首相は11月12日、APEC首脳会議会談を前にTPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加を表明し、<ルビコンを越えたものの>電撃的進攻の構えも無く、問責の2閣僚罷免をせずに国会を閉じた。戦略(目標)も作戦(政策)もなく、<賽は投げられなかった>。無為無策は、国家・国民にとって最悪の状態を招く。
  TPP参加に対して、おもに農業関係者は反対で、輸出産業界は概ね賛成という産業間の利害のみが火花を散らしている。TPPは関税だけではなく、技術基準、知的財産権、政府調達など貿易の自由化について24分野に関わるため日本の社会経済に大きな影響を与えることになる。農業をはじめ24分野の対応策と問題点をどのような形で米国など参加国と取り組んでいくのかの総論も戦略も見えてこない。
  お隣の韓国が欧州・米国とFTA(自由貿易協定)を結んだのは、韓国の国益には世界交易と人的資源の活用という確固たる命題があり、通商国家として市場を世界に定める戦略である。野党・民主党の強烈な反対もあるが、その信念はぶれていない。一方、日本に確固たる政治的決断力と先見性がないのが残念である。
  国内のTPPに関する問題点を挙げると、日本農業は農家の高齢化と非効率生産(兼業農家70%以上)をみても、このままでは先行き破綻は目に見えている。早急に構造改革しなければならない。その半面、関税撤廃は食糧自給率の低下をはじめ、遺伝子組み換えや残留農薬、添加物基準など食の安全についての危惧も指摘される。農協(JA)の他、日本医師会からも国民皆保険制度の崩壊などからの反対論が噴出している。
  TPPの参画は、明治維新の開国、第二次大戦の敗戦に次ぐ第三の開国というが、国づくりのビジョンが確立しないまま、政治・産業間で議論拮抗すればするほど政治家は目の前の票と既得権益を守ることになる。政権を維持したい閣僚や民主党主流派はバラマキ政策に固執する。
  また、交付金や補償金といった過保護農政にどっぷり漬かった農業・農家は温存され、ますます農業弱体化につながる。維新や敗戦時は、少なくとも国民や産業には守るべき既得権益すらなく、民意など希薄な中で、政治家や官僚が果敢に戦略や政策に取り組めたのである。昨今の政治は、相反する利害を調整ができなくなっている。
  TPP参画というルビコン川を渡河した野田首相の命運はこの数ヵ月にかかっている。感情論を排した戦略を提示し、世界に向かってどのような作戦に転じるのかを明確に示すことが緊急の課題である。もはや国益を守るリーダーとして利害論争を超える大義(判断力・先見性・決断力)と執行能力が求められる。 

(コラムニスト:中井勇)

*冬扇夏炉(とうせんかろ):
 冬の扇と夏の火鉢。時節に合わない無用の物のたとえを言う。

 
 

 
     
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