株式会社スノウチ
*スノウチニュースは毎月1日発行です。
編集内容は [1] プロジェクト情報(鉄骨物件)、[2] 鉄骨市況(傾向分析)、[3]あれこれ(話題)等で構成します。
     
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「スノウチニュース」No.87
平成24年2月号

 
   
 

【鉄骨建築統計】
12月の鉄骨造需要量は35万2,900トン
11暦年426万400トンの前年比1.4%増

 
     
 

  国土交通省が1月31日に発表した建築物着工統計による11年12月の建築物着工面積合計は10,157千平方メ―トル(前年同月比1.2%減)と1ヵ月で微減した。 
  ▽建築主別の延べ床面積では、公共建築物が463千平方メートル(同20.8%減)の2割減となった。民間建築物は9,694千平方メートル(同0.0%)で横ばいであった。
  ▽用途別では、居住建築物(マンション・住宅など)は6,426千平方メートル(同8.4%減)の減少となった。非居住建築物(ビル・工場・店舗など)は3,731千平方メートル(同14.2%増)で3ヵ月連続増を確保した。
  ▽構造別では、鉄骨系建築物は、S造は3,453千平方メートル(同7.0%増)の4ヵ月ぶりの増加。SRC造は152千平方メートル(同15.3%減)と4ヵ月連続の大幅減が続いている。RC造は2,056平方メートル(同1.7%減)に減少した。W造も4,442千平方メートル(同6.2%減)4ヵ月連続の減少となった。
  ▽鉄骨需要換算では、S造は34万5,300トンで、SRC造が7,600トンの鉄骨計35万2,900トン(同9.9%増)で、前月比では1.0%微増。11年(暦年)では426万0,400トン(同1.4%増)の微増となった。

 

10年12月−11年12月 鉄骨需要量の推移

年 / 月

S 造 前年比 SRC造 前年比 鉄骨造合計
10/12 322,800

7.3

9,000

44.5

331,800

11/1

305,600

1.8

15,600

-16.8

321,200

2 277,800

-2.8

16,100

60.5

293,900

3 343,200

-2.9

14,900

-33.1

358,100

4 354,100

7.8

14,000

3.1

368,100

5 323,100

-0.4

21,000

145.6

344,100

6 400,100

19.3

13,500

55.1

413,600

7 386,600

2.7

13,000

68.2

399,600

8 387,100

11.9

12,650

44.3

399,750

9 304,300

-20.7

9,000

-20.1

313,300

10 340,100

-2.6

6,200

-58.5

346,300

11 344,100

-2.9

5,450

-25.0

349,550

12 345,300

7.0

7,600

-15.3

352,900

(国土交通省調べ)
 
   
 

【スノウチからの情報】
造船溶接用の裏当て材に朗報!

 
     
 

  昨年7月号のこのコーナーで<難問から生まれる新製品>記述した「造船メーカーではPSPC(新塗装基準)と言う新しい塗装基準ができたことにより、糊跡が残らない裏当て材を要求されるお客様が増えてきました。製品は時代とともに進化し、用途も機能も変わっていきます。これで良いと言う製品はありません。皆様の要求する製品を開発しお役に立てるよう日々努力しております」と、この宿題に取り組んできました。 
  そして、造船溶接用のセラミックス系裏当て材(バックアップ材)の残糊を少なくする研究・開発を進めておりましたが、半年を経過しやっと実用化に明るい兆しが見えてきました。製品の詳細についてはまだ(特許出願などで)発表できませんが、例えば現製品に<味の素や塩コショウ>をふりかけフライパンに焦げ付きを少なくしたようなもので、良好な実験結果を出すことができました。
  試作品が量産化でき次第、新商品として発表・発売をさせて頂きたいと思いますが、お客様の期待にお応えできること今から楽しみです。乞うご期待ください。

(スノウチ技術担当)

 
   
 

【建築・鉄骨ニュース】

 
     
 

11年度建設投資見通しを下方修正
6.6%増43.8兆円に =建設経済研=

  建設経済研究所がこのほど発表した「建設投資見通し」によると、11年度の名目建設投資額は前年度比6・6%増の43兆8,400億円の見込み。東日本大震災の復旧・復興予算の執行が遅れているほか、民間住宅投資の伸びが鈍化している状況を踏まえ、昨年10月の前回予想から8,000億円の下方修正をした。
  12年度は、11年度補正予算の繰り越しに加え、民間投資額も緩やかに伸びると見ているが、復興需要による回復基調も年度後半に弱まるとして、前回から1兆1,000億円低い44兆8,300億円と予想している。
  国内建設投資額は、震災関連予算による政府建設投資の増加に加え、民間建設投資も震災後の停滞から持ち直し、緩やかな回復基調で推移するとした。ただ、円高や海外経済の動向、電力費の値上げや供給制限などの懸念要素もあり、下振れリスクも高いと見ている。
  復旧・復興対策経費について、政府は震災後の当初5年間で少なくとも19兆円が必要と見積もっているが、すでに12年度当初予算案までに18兆円程度が計上済み。12年度の大型補正予算の編成が見込みにくく、財源問題も加わり、建設投資の先行きは楽観視できないとしている。
  11年度の建設投資見込みの内訳は政府部門が18兆3,100億円(前年度比10.4%増)、民間住宅が12兆9,600億円(4.3%増)、民間非住宅が12兆5,700億円(3.7%増)。住宅着工戸数は84万2,000戸(2.8%増)で、内訳は持ち家30万5,000戸(1・1%減)、貸家28万8,000戸(1.2%減)、分譲24万戸(13.2%増)と予想している。
  住宅市場では、着工の遅れや不安定な海外経済などの影響もあり、伸び率は鈍化傾向にあるものの、緩やかな回復基調で推移する見通し。ただ、12年度の着工戸数は88万8,000戸(仮設住宅は含まない)と、前回予想の90万戸台には届かないとしている。
  民間非住宅については12年度後半に向けて設備投資が回復する見通しから、建設投資の本格的な回復は13年度以降になると予想。輸出産業としての製造業を取り巻く外的環境は厳しく、東京都内では12年にオフィスの大量供給が見込まれるなど、建設投資の回復は後ろ倒しになると見ている。

 

東日本大震災の復興事業計画は
工期短縮の鉄骨造建築が決め手か!

  東日本大震災(3・11)から間もなく11ヵ月になる。復興庁はやっと今月10日に開庁となり、被災地では「復興停滞」との批判もある。阪神大震災と比較すると被害規模は数倍広く、しかも津波対策の高台移転などさまざまな条件もあって、グランドデザイン決定は3月10日以降となるため、思惑よりもかなり遅くなっている。
  神戸市復興は、震災・耐震などに強い都市をめざす復興計画のもと、過密地区の大胆な区画整理の施行と港湾都市開発が行われた。17年経った「ミナトこうべ」をみると、高層ビルが建ち並び震災の爪痕を探すのが難しいほどの復興ぶりだが、そこに住む市民の都市感覚や感情は必ずしも元に戻ってはいない。都市開発とは机上のプラン通りの開発では本来の都市機能にはならないことを復興都市・神戸が証明している。
  一方、被災地東北(原発被害地のフクシマを除く)の復興計画であるが、漁業・農業・二次加工などが主体である市町村のため阪神大都市計画とは比較にならない。復興計画が国や行政が唱える<理想的街づくり>なのか、地元民が望む早期着工の<現実型街づくり>なのかを地域毎の判断に任せ、年度早々から着手すべきである。
  街づくりの原点は、まず人口が戻ってくることにある。そのためには働く場所(雇用)がなくてはならない。各種の生産工場、物流倉庫、ショッピングセンター、医療介護、飲食店舗などを建設し、雇用を増やすことが復興の初期段階である。その次が住居・マンション、教育施設、業務施設などの建設へとつなげていく手順となる。
  そのためには、建築工期が短く、しかも耐震性に優れ、津波で強かった鉄骨建築が最も有望である。津波に襲われ多くの人が大型ショッピングセンター屋上によって救われたこともあって、鉄骨建築への理解が高まっている。阪神大震災ではピロティ式建築の倒壊が多く問題視されたが、東日本大震災の津波被害ではピロティ式建築は4メートル未満の津波には比較的軽微な被害で済んでいる。
  「平地に建てられる全て建築物はピロティ式(3メートル程度の)床高構造とし、1階部分を駐車場などに活用し2階以上を住居などにする。鉄骨建築にすれば工期的に耐震性にも優位である。鉄骨供給能力では、地元鉄骨ファブリケーターの一部は被災し、加工能力が激減しているものの東北6県のファブ加工能力は十分にあり、建築計画に対応できる」とは大手設計事務所・構造技術者の堤言である。
  また、大手ゼネコン技術者は、「まず、(復興)計画が遅れている。3月上旬に決まっても、実際に施工着手は夏以降になる。鉄骨建築物にしても年内に完成すれば早い方だ。復興バブルは仙台だけ。おもにガレキ処理など単純作業であって、建設・建築業者はまだまだ半年以上先の需要になる」と、現地団体と協議をした感想を語る。
  岩手、宮城県のこの数年の鉄骨需要量は12万トン前後で推移してきた。今年は復旧・復興需要が底上げし、10%増の13〜14万トン程度が見込まれ、本格復興になれば数年間の岩手・宮城県年間需要は16万トン以上可能と見られている。
  「初年度の鉄骨需要は年度後半になるので、復興需要だけでは2万トン前後と見られているが、東北ファブにとって期待は大きい。工場・倉庫・ショッピグセンターなど小屋物の見積もり依頼がボツボツ始まっている」(前述の大手ゼネコン技術者)。また、「新幹線橋脚補修工事などインフラ整備から生産設備への投資へとつながり、夏以降は第3次補正予算が効いてくる」と地元検査会社社長の期待する声もある。復興特需に建築鉄骨業界は大きな期待が寄せられている。

 

2011年粗鋼生産実績
2年ぶり減産も1億トンを維持

  日本鉄鋼連盟は、このほど2011暦年(1ー12月)の鉄鋼生産概況をまとめた。それによると、粗鋼生産は前年比1.8%減の1億0,759万5,000トンと2年ぶりに減少に転じたが、1億トンの大台は2年連続で維持した。
  銑鉄生産も同1.5%減の8,102万8,000トンと2年ぶりに減少したものの、8,000万トン台は継続している。熱間圧延鋼材も同3.0%減の9,482万3,000トンと前年比減少が続き、1億トンの大台を回復できなかった。
  粗鋼生産を炉別にみると、転炉鋼は前年比3.5%減の8,274万3,0000トンとなったが、電炉鋼は同4.2%増の2,485万1,000トンと増勢を示した。鋼種別では、普通鋼が同2.0%減の8,320万3,000トン、特殊鋼も同1.1%減の2,439万2,000トンとそれぞれ減少した。
  普通鋼熱間圧延鋼材は前年比3.6%減の7,450万3,000トン、特殊鋼熱間圧延鋼材も同0.9%減の2,032万トンとなった。
  品種別では、鋼板類のうち広幅帯鋼4,265万9,000トン(前年比6.8%減)、亜鉛めっき鋼板が1,213万8,000トン(同10.1%減)、厚板が1,230万9,000トン(同0.9%減)とそれぞれ減少。一方、小形棒鋼は8,69万8,000トン(同4.0%増)、H形鋼も336万5,000トン(同5.7%増)と増加を示している。

 
   
 

【トピックス】

 
     
 

20代社員の1割を海外部門に
海外事業拡大と人材育成 =大林組=

  大林組は海外事業拡大と若手社員の人材育成のため、入社7年目までの20代社員のうち1割を海外部門に配属する計画を発表した。英国様式の契約ノウハウの習得を目的とした海外企業への出向や、外国人留学生の採用、買収した海外子会社への出向も増やす。「単なる研修ではなく実務を担当させることで、マネジメント力に優れた人材を育てる」との方針。
  11年度は上期に2人、下期にさらに6人を配属し、一定期間後に一部は海外現場に赴任させる。今年4月以降は半期で6人、当面は年間十数人を配置していく計画。同社は毎年225人程度の新入社員を採用しており、入社から7年の間に1割を海外部門に配置できるよう、受け入れ先の環境整備を進める。
  外国人社員の採用では4月以降、マレーシア人など3人の留学生が入社する予定。海外拠点への転籍を前提とした採用活動に引き続き力を入れていく。同社は海外企業出向へは英国、オーストラリアのコンサルタント会社に海外経験のある土木職と事務職の5人が出向中。土木職は、プロジェクトマネジメント手法、コスト削減や時間管理のノウハウ、事務職は海外リスクの管理手法などを実務を担当しながら知識を習得している。
  大林組は昨年3月にカナダの建設会社「ケナイダン社」を買収した。ケ社は公共工事の実績が豊富なため、公共工事約款や建設機材などに関する知識習得を目的に、ケ社に出資する大林カナダホールディングスへの出向者も増員する。なお、同社は海外事業の売上高を25%(今期見込み約18%)に引き上げる目標を掲げている。

 
   
 

【今月の数字学】

 
     
 

358人

  厚生労働省がまとめた「2011年の労働災害発生状況」によると、東日本大震災の復旧・復興関連工事の増加に伴い、同工事での労働災害が増加傾向にあることが分かった。
  昨年3月11日の発災から12月末までの休業4日以上の建設業死傷者は358人に上り、全産業の約8割を占めた。また、建設業の死亡者数は464人。うち142人は震災労災だった。比較可能な震災労災を除き震災復旧・復興労災を含んだ建設業の死亡者は322人で、前年に比べ8.5%減(30人減)となった。
  震災復旧・復興関連では、死亡者24人を含む448人が死傷(休業4日以上)、うち建設業は79.9%を占める358人が死傷した。建設業の死傷者のうち20人が死亡。これは震災労災を除いた死亡者数の6.2%を占める。死傷者のうち7割弱が建築工事業、2割程度が土木工事業だった。ちなみに、阪神・淡路大震災では1年間で944人が死傷している。

 
   
 
冬扇夏炉 (18)
   24年2月
原子炉の解体
 

  今年の溶接界新春賀詞交歓会も盛会だった。壇場に上がった協会・学会長・来賓らは東日本大震災やタイ洪水被害の状況などに言及したものの、原発事故には触れなかった。この期に及んでも公の場では原発事故はタブー視されているようである。かつて旧通産省・研究機関の金属材料技術研究所(現独立行政法人物質・材料研究機構)で水中溶接・切断技術の研究担当していた浜田政信(仮名)研究員がふと洩らした一言が甦った。
  「原子力発電は想像以上の発電能力を発揮するが、その維持・管理には今もって未知の世界である。ましてや耐用年数後の解体・処理には膨大な費用が必要になる。米国原発の廃炉後は発電所全体を土盛りしてしまうが、国土の狭い日本では解体・処理に何十年と要する」と東海発電所が本格稼働し、東海第2発電所の計画が具体化した40年ほど前に、若手記者の小生に浜田氏は語った。
  曰く、「原子炉は燃料棒を入れる圧力容器と全体を覆う格納容器と冷却水を送る多くの配管で構成されている。問題は容器でなく配管溶接にある。原子炉は絶えず微振動しているため金属劣化や配管接合部(溶接部)からの亀裂・破断を起こす恐れが高い。炉内外を張りめぐされている大小径ステンレス製パイプ接合部の品質管理を行うことは放射能汚染もあって厳しい。(原子炉を)つくるのはた易いが維持・管理、さらに炉心解体・処理技術が確立されていない」が浜田氏の見解で、浜田氏の研究テーマ(水中切断)は原子炉解体に役立つとも付け加えた。
  原子炉の解体方法は、「(格納容器、圧力容器、配管・機器など)解体された部位を20メートル級プールに内で遠隔操作のロボットで、ドラム缶に入る程度に水中切断していく。こうした作業に何十年も掛かり、使用した水の除染や廃棄物の処理技術も確立していない」と危惧していた。高度成長期のため電力需要が切迫し、原発建設は反原発の活動家以外、国民もマスコミも原子力の平和利用に洗脳されていた。
  浜田氏は当時40歳だったと記憶する。爾来、小生の思考に「原発は維持・管理が難しく、廃炉後の解体・処理はさらに難題だ」と刷り込まれた。東海(原子力)発電所は98年3月で稼働終了し、14年から原子炉解体開始するが、浜田氏が指摘したようにプール内で水中切断によって細かく溶断されるのかは(技術革新している現在だけに)定かではないが、大変な作業である。
  また、その何千、何万缶に及ぶドラム缶は何処で保管されるのかと思えば、原発の事後処理の難しさが今もって痛感する。浜田氏が存命なら福島第1原発事故をどう思っておられたか!溶接界の原発事故タブーを破っての発言を聴きたいものである。

(コラムニスト:中井勇)

*冬扇夏炉(とうせんかろ):
 冬の扇と夏の火鉢。時節に合わない無用の物のたとえを言う。

 
 

 
     
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