株式会社スノウチ
*スノウチニュースは毎月1日発行です。
編集内容は [1] プロジェクト情報(鉄骨物件)、[2] 鉄骨市況(傾向分析)、[3]あれこれ(話題)等で構成します。
     
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「スノウチニュース」No.151
平成29年6月号

 
   
 

【鉄骨需要月別統計】
4月は44万4,900トン(前年同月比21.5%増)
S造は43万5,200トン(前年比22.3%増)

 
     
 

 国土交通省が5月31日発表した「建築物着工統計調査」の2017年4月着工総面積合計は11,874千平方メ―トル(前年同月比9.5%増)の前年同月比では1ヵ月で増加に転じ、1千万平方メートル超えた。
 ▽建築主別では、公共建築物が772千平方メートル(同5.6%増)の同3ヵ月ぶりに増加した。民間建築物は11,102千平方メートル(同9.8%増)と同1ヵ月で増加し、3ヵ月ぶりで1千万平方メートル台をキープした。
 ▽用途別では、居住建築物は7,273千平方メートル(同4.1%増)と、同3ヵ月ぶりに増加した。非居住建築物は4,601千平方メートル(同19.3%増)と同1ヵ月ぶりの増加となった。
 ▽構造別では、鉄骨系のS造が4,352千平方メートル(同22.3%増)と同1ヵ月で大幅増となった。SRC造は194千平方メートル(同6.6%減)と同2ヵ月連続減となった。一方、RC造は2,558平方メートル(同9.9%増)の同3ヵ月ぶりに増加した。木造は4,711千平方メートル(同2.2%増)の同1ヵ月で増加に転じた。
 ▽鉄骨需要換算では、S造が43万5,200トン、SRC造は9,700トンの計44万4,900トン(前年同月比21.5%増)の同3ヵ月ぶりに40万トン台をキープした。前月比では29.1%の増加となった。
 東京都心部の開発物件や五輪施設など大規模プロジェクトによる鉄骨需要は顕著に推移し、19年度をピークに徐々に増加していくものとみられる。その足がかりになっている。全国で物流施設、工場建屋など中規模物件も出てきており、これから単月で45万〜50万トンもありえる。

16年4月−17年4月 鉄骨需要量の推移

年/月S造前年比SRC造前年比鉄骨造合計
16/4 355,900 −17.9 10,400 ‐60.4 366,300
5 467,400 14.6 17,450 348.6 484,850
6 455,700 1.0 9,550 96.1 465,250
7 391,000 -13.4 4,350 ‐82.3 395,350
8 495,400 18.4 2,400 ‐60.7 497,800
9 439,900 7.4 9,000 92.5 448,900
10 401,400 0.2 5,700 -61.0 407,100
11 415,400 4.5 3,250 -15.7 418,650
12 407,600 7.6 8,700 -41.0 416,300
17/1 426,500 21.9 6,400 -30.5 432,900
2 399,800 3.6 23,500 35.4 423,300
3 339,200 -1.9 5,450 -63.0 344,650
4 435,200 22.3 9,700 -6.6 444,900
(国土交通省調べ)
 
   
 

【鉄骨業界展望】

 
     
 

ハイブリット(混合)構造化と建築鉄骨事情
集成材・CLT工法は鉄骨造の脅威となるか

 建築躯体の単体構造からハイブリット(混合)構造化が進んでいる。新耐震設計基準法(1981年)以来、建築物は耐震設計と経済設計から既成概念にとらわれない多様な混合構造が増えている。躯体構造は柱部材、梁部材、補助部材(小梁、胴縁、ブレースなど)との組み合わせ。その各部材と異種材による接合工法は、独自開発の構法となるが、新たに木質集成材のCLT法(クロス・ラミネイテッィド・ティンバー)が加わってきた。
 鉄骨構造のS造(鉄骨)、SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート)は、日本建築学会の工事技術指針、建築工事標準仕様書など施工基準・規準などに準拠されている。だが、経済性や施工性、工期性からS造、RC造(鉄筋コンクリート)、PC造(プレキャストコンクリート)やPCaPC造(プレキャストプレストレストコンクリート)の混合化により、ディテールを複雑化し、特にS造との混合の場合、製作工数が増え、かつ品質基準や品質確保を難しくしている。
 混合構造が多い物件は、物流倉庫やショッピングセンターなど低層階で、かつ大規模床面積の物件である。この種の工事は設計・施工一括受注が多く、建設会社(ゼネコン)は建築費減や工期短縮などを勘案し、S造単体構造にするのか、柱部材をRC造、PC造にし、梁部材をS造にする混合構造にするかで検討される。物件の特性や受注価格によって優先度を決め、それぞれ独自開発の混合構法を駆使し、建築主の要求条件に応えている。
 異種部材との混合構造における問題点は、柱・梁部材が接合するパネルゾーンの接続構造がゼネコン独自構法によるため、「S造、RC造の建築工事標準仕様書/JASS6(鉄骨工事)、JASS5(鉄筋コンクリート工事)との整合性や施工基準、混合構造の工事指針が示されていない」(大手ゼネコン・M技術部長談)。「工事毎にさまざまに異なる混合構法に対応する施工管理者、監理技術者、検査技術者らは混迷している」(現場溶接業・H社長談)などパネルゾーンのディテール、施工品質、安全基準をJASS6、JASS5との合同研究・開発が課題とされている。

 わが国の建築物の建築着工総延べ床面積では、8割超が4階建て以下の低層建築で、このうち構造別では住宅などの木造が4割強で、RC造が2割弱、S造とSRC造(鉄骨系)が約4割の構成比である。鉄骨系のうちS造9割で、SRC造1割の比率あったが、ここ数年SRC造単体が半減しているが、地上階をS造にし、地下階の構真柱(十字柱など)SRC造にするなど着工統計でカウントされていないものの、SRC造の役割を大いに果たしている。
 S造の柱部材も進化している。耐震性や施工性から閉鎖型断面の優位性もあり、冷間成形角形鋼管(呼称、コラム)柱や円形鋼管柱、極厚鋼板による4面ボックス柱、鋼管コンクリート充填(CFT柱)などとなっている。鋼種はおもにJIS規格の建築構造圧延鋼材SN400、490材、建築構造用TMCP鋼板、建築構造用高性能590N鋼(SA440)となっている。開裂鋼板問題以来、SN材中心にミルシート添付など鋼材管理は厳しくなっている。
 ゼネコンでは、受注する物件毎に建築主、設計事務所との折衝では建築費・工期・品質などの兼ね合いで、S造単体か、RC造との混合構造にするかの判断となる。「S造単体の場合は、鉄骨ファブリケーターに発注し、受け入れ検査(品質管理)を経て現場組立てとなるが、RC造の場合は、型枠・鉄筋業者の現場施工のため管理・品質管理の裁量権が現場事務所の構造技術者にあるため工程管理が容易だが、人手不足もあり混合構造はある種の折衷案でもある」(ゼネコン・構造技術者談)と工事建場からの率直な意見も聞こえる。

 混合構造に仲間入りしてきたのがCLT工法である。CLTとは、1995年オーストラリアを中心にした発展・普及した木質積層接着材(木質集成材)のCLT材である。このCLT工法単体による建築物を大手ゼネコンの竹中工務店や著名建築家の隈研吾、坂茂氏らによって中規模ビル、新国立競技場やアリーナー建設など何棟も建てられ、さまざまな物件でも計画されている。
 こうしたなか、大手ゼネコンの清水建設はこのほどCLT材を使用した中・大規模耐火建築の混合構法を開発した。CLT造の柱部材にRC接合部材を介して、RC造やS造の梁と一体化する混合構造の「シミズ ハイウッド(Shimizu Hy−wood)」である。同社は耐火被覆を施した木造の柱・梁部材に既存のS造、RC造、PC造との混合構造で4階以下、もしくは高層建築の上層から4層までに採用するとしている。まさに建築躯体は、CLT造を含めた多種混合構造化に突入したのである。大手ゼネコンが木造との混合構造は新たな展開をよぶことになる。
 一方、CLT材など木質材メーカーや関連9団体(注)が、非住宅の中・大規模建築物を対象に専門資格制度を創設し、鉄骨の鋼材加工、組み立ての「鋼構造物工事業」を参考に、加工・施工図の作成から加工、架設(組み上げ)までを一貫して携わる専門職資格制度を設け、技能研修や第三者機関による工場格付け(認定工場)といった仕組みも検討している。また、建設業許可業28種に次ぐ「木質構造工事業」としての認知をめざすとしている。
 CLT材は鋼材と較べて安価で加工しやすい。着工床面積の8割を占める低層建築では、CLT造は混合構造においてS造と競合が必至となり、経済性・施工性の比較になればS造にとって新たな脅威である。

 (注)木質建築9団体は、▽日本集成材工業協同組合▽日本CLT協会▽全国木材組合連合会▽全国LVL協会▽国産材製材協会▽全国建設労働組合総連合▽JBN(全国工務店協会)▽Aパネ工法普及協議会▽木造施設協議会。

 
   
 

【建築関連統計】

 
     
 

日建連4月受注額1兆0,437億円(前年同月比7.9%増)
民間工事受注額6,960億円(前年比3.0%増)

 日本建設業連合会(日建連)が5月26日に発表した会員企業97社の2017年4月受注工事総額は1兆0,437億2,900万円(前年同月比7.9%増)となり、辛うじて1兆円台を確保した。うち民間工事は6,960億5,800万円(同3.0%増)の前年同月比では2ヵ月連続増となった。一方、官公庁工事は2,970億6,900万円(同7.1%増)の同1ヵ月で増加に転じた。
国内工事の受注が9,933億円(同4.1%増)となり、同3ヵ月ぶりに増加した。民間工事は6,960億5,800万円で、うち ▽製造業が1,213億1,900万円(同27.6%減)の同4ヵ月ぶりに大幅減となった。▽非製造業が5,747億3,900万円(同13.2%増)の同3ヵ月ぶりに増加した。
 官公庁工事は2,970億6,900万円で、うち▽国機関が1,968億4,100万円(同11.5%減)の2ヵ月連続2桁減となった。 ▽地方機関が1,002億2,800万円(同82.1%増)の大幅増で、同2ヵ月連続増となった。▽その他は1億7,300万円(同81.8%減)の大幅減で、同3ヵ月連続減となる。なお▽海外工事は504億2,900万円(同268.8%増)の大幅増で、同3ヵ月連続増となった。
 17年4月の地域ブロック別では、▽北海道471億7,100万円(前年同月比2.3%減)▽東北1,196億8,800万円(同33.0%増)▽関東4,681億6,800万円(同4.7%増)▽北陸265億9,000万円(同20.3%増)▽中部452億1,000万円(同22.3%減)▽近畿1,510億4,300万円(同11.5%減)▽中国590億2,900万円(同110.9%増)▽四国220億6,500万円(同6.5%減)▽九州483億5,200万円(同25.4%減)となった。 なお、地域9ブロックにおいて前年同月比増は東北、関東、北陸、中国の4ブロックとなり、東北、北陸は2桁増となり、中国は3桁の大幅増となった。

4月粗鋼生産の875.2万トン(前年同月比3.0%増)
3月普通鋼鋼材建築用63万4,586トン(同4.0%減)
16年度普通鋼鋼材建築用652万8,201トン(前年度比0.0%)

 日本鉄鋼連盟が5月23日に発表した2017年4月の鉄鋼生産は、銑鉄は前月比では減少、前年同月比では微減横這いとなった。粗鋼、熱間圧延鋼材は前月比では減少したが、前年同月比ではいずれも増加した。
 銑鉄生産は651.4万トン(前年同月比微減横這い)となった。粗鋼生産は875.2万トン(同3.0%増)となり、前年同月比では2ヵ月連続増となった。炉別生産では、▽転炉鋼が662.3万トン(同0.6%増)の同3ヵ月ぶりの増加、▽電炉鋼が212.9万トン(同11.3%増)となり、同7ヵ月連続増となった。
 鋼種別生産では、▽普通鋼671.5万トン(同1.4%増)の同3ヵ月ぶりに増加、▽特殊鋼203.8万トン(同8.3%増)の12ヵ月連続増となった。熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は758.2万トン(同2.0%増)と同9ヵ月連続増となった。普通鋼熱間圧延鋼材生産は591.6万トン(同0.6%減)と同2ヵ月連続減となった。
 品種別では、▽条鋼類153.6万トン(同4.1%増)の同7ヵ月連続増となった。▽鋼板類434.0万トン(同2.1%減)の同3ヵ月連続減となった。主要品種の生産内訳では、▽広幅帯鋼356.3万トン(同1.5%増)の同4ヵ月連続増。▽厚板72.2万トン(同16.4%減)の同5ヵ月連続減となった。
 一方、条鋼類では▽小形棒鋼73.3万トン(同2.3%増)の同5ヵ月連続増。▽H形鋼31.1万トン(同5.3%増)の同2ヵ月ぶりに増加。▽大形形鋼7.3万トン(同5.9%減)の同2ヵ月ぶりに減少。▽中小形形鋼8.8万トン(同20.0%増)の同7ヵ月連続増。特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は166.6万トン(同12.3%増)と同12ヵ月連続増となった。
 なお、普通鋼鋼材用途別受注量による建築用は63万4,586トン(同4.0%減)で、▽非住宅用41万8,492トン(同0.5%減)、▽住宅用21万6,092トン(同10.2%減)となった。
 なお、16年度(4月〜17年3月)の建築用は652万8,201トン(前年度比0.0%)で、▽非住宅用447万4,803トン(同1.6%減)、▽住宅用205万3,398トン(同3.6%増)となった。

3月溶接材料、出荷高2万2,184トン(前年同月比6.8%増)
16年度の出荷高24万2,385トン(前年度比4.2%減)

 日本溶接材料工業会がまとめた2017年3月の溶接材料生産・出荷実績によると、生産高は前年同月比で2.0%増の2万1,401トンと2ヵ月連続増となった。一方、出荷高でも同6.8%増の2万2,183トンと3ヵ月連続の増加となった。また、在庫高は16.0%減の1万7,918トンとなった。
 主要品種の生産高をみると、▽ソリッドワイヤ(SW)は8,650トン(前年同月比5.9%増)の同13ヵ月ぶりに増加した。 ▽フラックス入りワイヤ(FCW)は7,594トン(同5.0%増)で、同3ヵ月連続増。▽被覆アーク溶接棒は2,490トン(同14.6%減)の同4ヵ月ぶりの減少。その他を含む生産高は2万1,401トン(同2.0%増)である。
 一方、出荷高は、▽ソリッドワイヤ(SW)が9,008トン(同12.4%増)の同2ヵ月連続増となった。▽フラックス入りワイヤ(FCW)は7,860トン(同8.5%増)の同3ヵ月連続増。▽被覆アーク溶接棒は2,738トン(同2.5%増)の同3ヵ月連続増となった。その他を含む出荷高は2万2,184トン(同6.8%増)となった。
 在庫高は、▽ソリッドワイヤ(SW)は6,138トン(同16.3%減)となった。▽フラックス入りワイヤ(FCW)は5,985トン(同6.9%減)。▽被覆アーク溶接棒は2,889トン(同36.8%減)となった。 その他を含む合計在庫高は1万7,918トン(同16.0%減)となった。
 16年度(4月〜17年3月)の生産量は前年度比6.1%減の23万8,981トンと2年ぶりに減少した。出荷量でも同4.2%減の24万2,385トンと2年連続減となった。輸出量では同9.5%減の2万8,350トンと2年連続減となった。財務省の貿易統計からまとめた16年度の溶接材料(ソリッドワイヤ、FCW、被覆アーク溶接棒、非合金鋼溶接ワイヤ)輸入量は、同5.5%減の5万3,520トンと3年連続で減少した。

 
   
 

【建築プロジェクト】

 
     
 

「羽田空港跡地第2ゾーン計画」を住友不動産らPT
S造・12階建て3棟のホテル・複合施設8.6万平方

 東京・羽田の東京国際空港は国際線の拡充とともに空港および旧空港跡地周辺の開発が盛んになっている。また、新たなライフラインとしては空港地区と多摩川対岸の川崎市殿町地区と結ぶ連絡橋が2020年に開通し、京浜臨海地帯や横浜MM21地区などへの利便性が増し、東京国際空港の機能はさらに充実する。
 この連絡橋詰めに立地を開発する「羽田空港跡地第2ゾーン計画(ホテル・複合施設)」(東京都大田区羽田空港2、約4.3ヘクタール)の開発事業では住友不動産を代表企業とする「住友不動産・東京国際空港プロジェクトチーム(PT)」が、このほど建設計画を明らかにした。
 それによると国内外の旅行客らのニーズに応えられるホテル・複合施設、S造・12階建て3棟(総客室数1,704室)を建設する。ホテルの宿泊性ランクは、▽ラグジュアリー(154室)▽ハイグレード(644室)▽スタンダード(906室)となっている。延べ床面積約8万5,939平方メートル。設計は日建設計で、施工は西松建設・前田建設工業が予定され、2018年1月着工し、20年4月完成としている。
 ホテル内に▽飲食施設2,134平方メートル▽物販施設2,087平方メートル▽おもてなしセンター184平方メートル▽サービス業務施設562平方メートル▽温浴施設1,310平方メートル▽バンケットルーム(宴会場)兼会議室1,230平方メートル▽イベントホール1163平方メートル▽イベントシアター632平方メートルなどを配置し、旅行者らへの至便性を図っている。また、空港への連絡通路、バスターミナルなどの施設を整備・運営する。2020年6月の全面開業をめざす。
 PTは今月基本協定を結び、9月に定期借地権設定の契約をそれぞれ国と締結した後、実施設計に着手する。なお、PT構成員は、住友不動産(代表)、住友不動産ヴィラフォンテーヌ、日建設計、西松建設、前田建設工業の5者。土地の年額賃料は27億円で、貸付期間は18年4月〜68年3月までの50年間となっている。

 
   
 

【雑論・正論】
わが家にも振り込み詐欺が

 
     
 

 我が家にも電話詐欺がきた。この種の詐欺は<オレオレ詐欺>から始まり、昨今は百貨店の社員と銀行協会の職員を名乗る<キャッシュカード詐欺>などさまざまだ。一時減ったがここ数年の被害額は400億円超になる。
 小生不在の正午前に電話が掛かる。家内が出ると「医療費の手続きが済んでない」と役所の中野を名乗る男が「緑色の封筒の手紙を出したが手続きされていない。締め切り過ぎたが、特別に電話している。医療費2万4,268円が戻ります。銀行口座に残高40万円以上あれば手数料は不要、なければ2,160円かかる」と説明する。
 続けて、「通帳とキャッシュカード、認印と身分を証明できるものを持って口座銀行に直接行ってください。私が銀行に電話して確認を取りますので口座は?」との問いに、半信半疑だったが行名と携帯番号を伝えてしまった。「今日手続きできるか銀行に確認し、また連絡します」とで切れた。家内は11月に入院、2回の医療費を還付された経緯がある。いずれも役所のハガキをもとに窓口で手続きしているので、怪しいと思いながらも電話を待った。
 2度目は1時過ぎにくる。「〇〇銀行に確認したところ、今日は金曜日なので手続きはムリとのことなので、月曜日に再度こちらから電話させて頂きます。〇〇銀行の本店からも、そちらに連絡がいきますので、その指示にしたがって、〇〇銀行▽▽支店まで行ってください」と強く念を押されたと言う。典型的なマインドコントロールである。
 小生帰宅後、この話を聞く。<振り込め詐欺>だと直感。これは電話で銀行ATMに誘導し、携帯で振り込み操作させながら高額送金させる手口。翌朝、警察と相談したら「間違いなく詐欺です」と言い、詳しい説明を受けた。
 生活安全課の警察官は「この種の詐欺は、出し子・受け子がいなく、ニセ電話での振り込め詐欺のため捕まえ難い。署は記録するしかなく、被害に遭わないよう啓蒙するしかない。まず、念のため役所確認し、留守電に切り替え対応を避けてください」と忠告とアドバイスを頂いた。この時点で、われわれ夫婦は、ある種の安堵を覚えた。
 月曜日9時45分に掛かってきたが、留守電が作動すると切れた。次に11時50分にも掛かるが、留守電になっても何秒かこちらの様子を伺っているようだ。事務所のようなざわつきが聴こえたが数秒で切れた。警察官の話では「会話の録音を一番避けている。声紋が証拠になるから」とも言っていた。その後、音沙汰なく被害なく済んだ。
 日常は携帯で十分だが電話器も必要だ。早速、電気量販店で電話器を見たら、どれも振り込み防止対策機能付の<あんしん電話器>だった。便利なツールが増える度に高齢者にとって<大きな落とし穴>にもなっている。

【加藤 文雄】

 

 
     
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