スノウチニュース<№257> 2026年3月


【建築関連統計】
1月の鉄骨需要量は25万7,750トン(前年同月比0.0%増減無し)
25年度(4月~1月)鉄骨需要量284万9,550トン(前年同期比7.2%減)

国土交通省が2月27日に発表した「建築物着工統計調査」による2026年1月着工総面積は、7,000千平方メートル(前年同月比0.3%増)となり、前年同月比では10ヵ月ぶりに増加となった。
建築主別は、▽公共建築物が207千平方メートル(同35.2%減)となり、同4ヵ月連続で減少。▽民間建築物は6,793千平方メートル(同2.0%増)となり、同10ヵ月ぶりに増加となった。
用途別は、▽居住建築物は4,434千平方メートル(同1.3%減)となり、同10ヵ月連続で減少。▽非居住建築物は2,566千平方メートル(同3.2%増)となり、同8ヵ月ぶりに増加となった。
構造別では、▽鉄骨造(S造)が2,560千平方メートル(同2.6%増)となり、同2ヵ月連続で増加。▽鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)が35千平方メートル(同78.3%減)となり、同4ヵ月連続で減少。▽鉄筋コンクリート造(RC造)が1,236千平方メートル(同13.7%減)となり、同3ヵ月連続で減少。▽木造(W造)が3,096千平方メートル(同9.3%増)となり、同10ヵ月ぶりに増加となった。
鉄骨系の需要換算では、▽S造は25万6,000トン(前年同月比2.6%増)となり、同2ヵ月連続で増加。▽SRC造は1,750トン(同78.3%減)となり、同4ヵ月連続で減少。鉄骨系合計では前月比9.1%減の25万7,750トン(同0.0%増減無し)となった。
25年度(4月~1月)の鉄骨需要量は、▽S造が281万6,800トン(前年同期比6.0%減)、▽SRC造が3万2,750トン(同54.6%減)となり、鉄骨系合計では284万9,550トン(同7.2%減)となった。

25年1月-26年1月 鉄骨系需要量の推移

年/年度 S造 前年比 SRC造 前年比 鉄骨造計 前年比
2025年 1 249,600 -21.4% 8,100 153.2% 257,700 -19.6%
2 266,800 -10.2% 8,350 204.3% 275,150 -8.3%
3 304,700 -4.0% 6,300 55.8% 311,000 -3.2%
2025年度 4 375,100 -1.3% 3,650 -52.6% 378,750 -2.3%
5 288,500 4.6% 2,650 -60.7% 291,150 3.0%
6 266,700 -15.0% 3,150 -35.7% 269,850 -15.3%
7 253,900 -21.1% 3,950 61.2% 257,850 -20.4%
8 263,700 -3.5% 1,650 -83.8% 265,350 -6.4%
9 314,400 -4.1% 10,500 600.0% 324,900 -1.4%
10 293,700 -0.6% 1,800 -89.4% 295,500 -5.5%
11 223,400 -21.1% 1,450 -85.6% 224,850 -23.3%
12 281,300 1.7% 2,150 -35.8% 283,450 1.3%
2026年 1 256,000 2.6% 1,750 -78.3% 257,750 0.0%
2025年度(25年4月-26年1月) 2,816,800 -6.0% 32,750 -54.6% 2,849,550 -7.2%

(国土交通省調べ)

 


日建連の1月総受注額約1兆2,819億円(前年同月比4.3%増)
民間工事は1兆0,442億3,600万円(同24.7%増)

日本建設業連合会(日建連)が2月26日に発表した会員企業92社の2026年1月分の受注工事総額は、1兆2,819億2,6000万円(前年同月比4.3%増)となり、前年同月比では3ヵ月連続で増加となった。そのうち、▽国内工事が1兆2,674億5,400万円(同9.6%増)となり、同3ヵ月連続で増加、▽海外工事が144億7,200万円(同80.1%減)となり、同3ヶ月ぶりに減少となった。
▽民間工事が1兆0,442億3,600万円(同24.7%増)となり、同3ヵ月連続で増加、▽官公庁工事が2,133億8,400万円(同32.1%減)となり、同1ヵ月で減少となった。
民間工事のうち、▽製造業が2,207億8,600万円(同19.6%増)となり、同2ヵ月連続で増加、▽非製造業が8,234億5,000万円(同26.2%増)となり、同3ヵ月連続で増加となった。官公庁工事のうち、▽国の機関が1,398億8,100万円(同45.5%減)となり、同4ヵ月ぶりに減少、▽地方の機関が735億0,300万円(同27.0%増)となり、同2ヵ月連続で増加、▽その他が98億3,400万円(同95.1%増)となり、同3ヵ月連続で増加となった。
2025年度(4月~1月)の受注総工事額は、16兆0,819億9,800万円(前年同期比14.5%増)となった。▽民間工事が12兆2,160億3,900万円(同19.1%増)、▽官公庁工事が3兆1,991億4,400万円(同0.8%増)、▽海外工事が6,282億8,100万円(同13.9%増)となった。
日建連・地域ブロック別による1月の受注工事額では、▽北海道が332億5,900万円(前年同月比58.9%減)となり、前年同月比では3ヵ月ぶりに減少、▽東北が622億6,300万円(同23.6%減)となり、同3ヵ月連続で減少、▽関東が5,620億6,900万円(同0.5%増)となり、同2ヵ月連続で増加、▽北陸が454億6,900万円(同119.8%増)となり、同2ヵ月連続で増加となった。
▽中部が1,215億1,600万円(同14.3%減)となり、同3ヵ月ぶりに減少、▽近畿が2,128億6,000万円(同45.2%増)となり、同3ヵ月連続で増加、▽中国が1,334億7,800万円(同274.6%増)となり、同2ヵ月連続で増加、▽四国が247億2,200万円(同52.2%増)となり、同2ヵ月連続で増加、▽九州が717億7,200万円(同2.4%減)となり、同1ヵ月で減少となった。


1月の粗鋼生産量は675.1万トン(前年同月比0.5%減)
12月の普通鋼建築用受注量41.5万トン(前年同月比7.8%増)

日本鉄鋼連盟が2月20日発表した2026年1月の銑鉄生産は、497.4万トン(前年同月比2.0%減)となり、前年同月比では10ヵ月連続で減少。粗鋼生産は、675.1万トン(同0.5%減)となり、同10ヵ月連続で減少となった。
炉別生産では、▽転炉鋼が509.0万トン(同1.1%減)となり、同10ヵ月連続で減少。▽電炉鋼が166.1万トン(同1.3%増)となり、同2ヵ月ぶりに増加となった。鋼種別生産では、▽普通鋼が524.0万トン(同0.2%減)となり、同3ヵ月連続で減少。▽特殊鋼が151.1万トン(同1.6%減)となり、同5ヵ月連続で減少となった。
熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)の生産は、585.3万トン(前年同月比4.4%減)となり、同2ヵ月連続で減少。▽普通鋼熱間圧延鋼材の生産は460.9万トン(同4.5%減)となり、同2ヵ月連続の減少。▽特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は124.4万トン(同4.2%減)となり、同2ヵ月ぶりで減少となった。
なお、12月の普通鋼鋼材用途別受注量は、▽建築用が41万5,463トン(前年同月比7.8%増)。うち▽住宅が12万7,051トン(同1.7%増)、▽非住宅が28万8,412トン(同10.8%増)、となった。
用途別受注量の25暦年(1月~12月)では、▽建築用が478万0,161トン(前年同期比0.9%減)。うち▽住宅が147万6,788トン(同0.1%増)、▽非住宅が330万3,373トン(同1.4%減)、となった。
25年度(4月~12月)では、▽建築用が359万6,589トン(前年同期比0.9%増)。うち▽住宅が110万4,011トン(同2.2%増)、▽非住宅が249万2,578トン(同0.4%増)となった。


12月の溶接材料出荷量1万6,965トン(前年同月比9.3%増)
25年度(4月~12月)の総出荷量14万0,298トン(前年同期比2.1%増)

日本溶接材料工業会が発表した2025年12月の溶接材料出荷量が1万6,965トン(前年同月比9.3%増)となり、前年同月比では7ヵ月連続で増加となった。
出荷量の主な品種は、▽ソリッドワイヤ(SW)が6,926トン(同9.6%増)となり、同3ヵ月連続で増加。▽フラックス入りワイヤ(FCW)が5,662トン(同4.9%増)となり、同5ヵ月連続で増加。▽被覆溶接棒が1,735トン(同9.8%増)となり、同1ヵ月で増加。その他を含む出荷量計では1万6,965トンとなった。
25暦年(1月~12月)の出荷量は、▽SWが7万5,552トン(前年同期比4.4%減)、▽FCWが6万4,725トン(同0.7%減)、▽溶接棒が1万8,526トン(同1.8%減)、その他を含む出荷量計での総出荷量は18万6,171トン(同1.0%減)となった。
25年度(4月~12月)の出荷量は、▽SWが5万6,918トン(前年同期比0.7%減)、▽FCWが4万8,719トン(同2.1%増)、▽溶接棒が1万3,539トン(同0.9%減)、その他を含む出荷量計での総出荷量は14万0,298トン(同2.1%増)となった。
財務省の貿易統計による溶接材料12月の▽輸出量は3,219トン(同17.3%増)となり、同1ヵ月で増加。▽輸入量は5,510トン(同10.5%増)となり、同2ヵ月連続で増加となった。
25暦年(1月~12月)の輸出量は3万4,167トン(前年同期比15.8%増)、輸入量は5万6,954トン(同2.2%減)となった。25年度(4月~12月)の▽輸出量は2万5,707トン(同18.1%増)、▽輸入量は4万3,170トン(同1.9%減)となった。

24年12月-25年12月 溶接材料月別実績表

単位/トン
年/年度 ソリッドワイヤ 前年比
フラックス入りワイヤ 前年比
被 覆
溶接棒
前年比
合 計 前年比
2024年 12 5,567 -24.7% 5,396 -5.4% 1,580 -7.7% 15,527 -7.1%
2025年 1 5,902 -11.2% 5,259 -1.7% 1,242 -26.9% 14,605 -8.9%
2 6,191 -14.3% 5,268 -9.4% 1,947 9.4% 15,193 -9.3%
3 6,541 -16.7% 5,479 -13.0% 1,798 4.0% 16,075 -10.1%
2025年度 4 5,929 -7.5% 5,268 -3.6% 1,440 -4.2% 14,757 -4.1%
5 5,748 -13.0% 5,008 -7.2% 1,358 -23.4% 14,101 -10.6%
6 6,421 -5.5% 5,387 4.4% 1,415 9.7% 15,742 2.5%
7 6,641 -5.4% 5,560 -0.2% 1,476 16.2% 16,122 0.7%
8 5,696 8.0% 5,018 3.9% 1,444 20.3% 14,305 8.7%
9 6,944 -0.5% 5,942 13.7% 1,375 -20.8% 16,968 6.8%
10 6,297 8.2% 5,550 3.8% 1,428 2.3% 15,634 5.4%
11 6,316 3.8% 5,324 0.3% 1,868 -2.2% 15,704 1.5%
12 6,926 9.6% 5,662 4.9% 1,735 9.8% 16,965 9.3%
2025年度(4月~12月) 56,918 -0.7% 48,719 2.1% 13,539 -0.9% 140,298 2.1%
2025暦年(1月~12月) 75,552 -4.4% 64,725 -0.7% 18,526 -1.8% 186,171 -1.0%

注:合計はその他の溶接材料を含めたもの。

日本溶接材料工業会

 

【建築プロジェクト】
東京駅前の都市像を塗り替える八重洲二丁目中地区第一種市街地再開発事業

東京駅八重洲口では現在、大規模な都市更新が連続的に進められています。その中でも、とりわけ高い注目を集めているのが「八重洲二丁目中地区第一種市街地再開発事業」です。本事業は、東京都中央区八重洲二丁目4番・5番・6番・7番に位置し、JR「東京」駅および東京メトロ「京橋」駅に近接する、極めて利便性の高い立地に計画されています。

施行区域は約2.2ヘクタールに及び、これまで中小規模の建物が密集していた街区を一体的に再編します。敷地面積は19,562.71㎡、建築面積は15,443.58㎡とされ、完成後には地上43階、地下3階、塔屋3階、高さ223.42mの超高層複合ビルが誕生する予定です。延床面積は約38万8,500㎡に達し、東京駅前の再開発事業の中でも最大級の規模となります。

建物には、事務所、店舗、劇場、サービスアパートメント、インターナショナルスクール、バスターミナル、駐車場といった多様な都市機能が集約されます。特に、劇場やインターナショナルスクールといった文化・教育機能を都心の一等地に組み込む点は、本事業の大きな特徴です。単なるオフィス集積にとどまらず、働く人、学ぶ人、訪れる人が交差する、重層的な都市空間の形成が目指されています。

また、本事業では地下レベルでの都市連携が重要なテーマとされています。地下1階においては、八重洲地下街、東京ミッドタウン八重洲、京橋エドグランと接続する計画となっており、東京駅周辺の地下歩行者ネットワークがさらに拡張されます。これにより、地上の混雑や天候の影響を受けにくい、安全で快適な動線が確保され、東京駅から八重洲・京橋エリアへの回遊性は一段と高まることになります。点在していた再開発拠点が地下で有機的につながることで、エリア全体が一つの大きな都市空間として機能する点は、大きな意義を持つと言えるでしょう。

構造は鉄骨造を主体とし、一部に鉄骨鉄筋コンクリート造を採用しています。基礎工法は杭基礎とされ、超高層建築にふさわしい耐震性と安全性が確保されます。設計は、基本設計を株式会社日建設計、実施設計を鹿島建設株式会社が担当し、施工も鹿島建設が担います。再開発組合には、鹿島建設、住友不動産、三井不動産、阪急阪神不動産、ヒューリック、独立行政法人都市再生機構などが参画しており、官民連携による都市再生の代表例とも言えます。

さらに、建物内にはバスターミナルが整備され、鉄道・地下歩行者動線・バス交通が立体的につながる交通結節点が形成されます。これにより、東京駅前は首都圏のみならず、地方都市や空港方面へのアクセス拠点としての機能も一層強化されることになります。

工事は2024年8月8日に着工しており、2029年1月31日の竣工が予定されています。約5年にわたる工期は、単なる建設期間ではなく、八重洲という街の構造そのものを更新する時間でもあります。完成後、本事業は東京ミッドタウン八重洲や京橋エリアと一体となり、地上・地下の両面から回遊性の高い都市拠点を形成することになります。

かつての八重洲は、東京駅を利用する人々が足早に通り過ぎる場所でした。しかし、延床約39万㎡、高さ約227mという圧倒的なスケールに加え、地下ネットワークによる面的な広がりを得ることで、八重洲は「滞在し、歩き、楽しむ都市」へと大きく変貌しようとしています。八重洲二丁目中地区第一種市街地再開発事業は、東京駅前の未来像を立体的に示す、極めて象徴的なプロジェクトであると言えるでしょう。


【時論・公論】
吉野、春を染める歴史の桜

春の訪れとともに、日本の山々が淡い桜色に染まり始めます。中でも奈良県・吉野山の「千本桜」は、古来より人々を魅了し続けてきた圧倒的な美しさを誇っています。幾重にも連なる桜の下に立つと、吉野に重ねられてきた歴史の記憶がふと胸に去来し、訪れる者は深い感慨に包まれます。
吉野の桜は山岳信仰と結びつき、その起源は約1300年前にさかのぼるとされています。

吉野が歴史の舞台に登場するのは、672年の「壬申の乱」です。天智天皇の子・大友皇子と、弟・大海人皇子が皇位を巡って争ったこの内乱で、大海人皇子(のちの天武天皇)は吉野に身を潜め、この地から反撃の狼煙を上げました。険しい山々に守られた吉野は、朝廷の追手から身を隠すには最適の地形だったのでしょう。

吉野の桜を深く愛した人物に、平安末期の歌人・西行法師がいます。1140年頃、彼は吉野を訪れ、奥千本のあたりに庵を結んで約二年余り暮らしたと伝えられます。出家し旅に生きた西行は、ひときわ吉野の桜に心惹かれ、生涯に何度もこの地を訪れています。
「願はくは 花の下にて春死なむ その如月の望月のころ」
この有名な歌には、吉野の桜の美と、無常を肯定する彼の人生観が凝縮されています。旧暦二月十五日──釈迦の命日にあたるその頃、ちょうど桜が咲く時季に最期を迎えたいという願いには、日本人独特の美意識が宿っています。

時代が下り、鎌倉時代。源義経が兄・頼朝との確執から逃れ、吉野に落ち延びたという伝説は、この山をさらに神秘の地たらしめました。険しい山中には、義経を慕って後を追った静御前の悲しみの舞の物語が今も語られ、その姿は桜の儚さと重なり合います。
義経が吉野に身を寄せたという逸話は、彼の悲劇的な運命を象徴する舞台として人々の記憶に刻まれているのです。

さらに南北朝時代。建武の新政が崩れた後、後醍醐天皇は足利尊氏との戦いに敗れ、京都を追われて吉野へと逃れ、南朝を開きました。以後、約60年にわたり吉野は「正統」を掲げた朝廷の拠点となり、北朝との緊張が続きました。政争と忠義が交錯したこの時代、楠木正成ら武士たちは桜の花をどのような思いで眺めたのでしょうか。慰めであったのか、あるいは無情の象徴として映ったのでしょうか。

そして安土桃山時代。天下統一を果たした豊臣秀吉が催した「吉野の花見」は、五千人を超える人々を従えた壮麗な宴として知られています。秀吉は権力の象徴として吉野の桜を選んだとも言われますが、その華やかさの裏には、すでに時代の移り変わりの気配が潜んでいたのかもしれません。

こうしてみると、吉野の桜は単なる自然の美ではなく、人々の夢や哀しみ、祈りや栄華とともに咲き続けてきた存在だということに気づかされます。今、春の吉野山を歩けば、風の中に遠い時代の息遣いが混じっているように感じられます。満開の桜の向こうに、西行の影がそっと佇み、義経や後醍醐天皇の気配が静かに重なっていくようです。
花は散ります。しかし、その散り際の美こそが、私たちの心を深く打つのでしょう。

人の世の営みもまた、桜のように儚く、そして美しい。吉野の春は、今年も変わらず、そのことを静かに教えてくれるのです。

【SEI】