スノウチニュース<№155>平成29年10月

【鉄骨需要月別統計】
8月は46万9,300トン(前年同月比5.7%減)
17年度4~8月累計229万2,400トン(前年同期比3.5%増)

国土交通省が9月29日発表した「建築物着工統計調査」の2017年8月着工総面積計は11,473千平方メ―トル(前年同月比3.4%減)の前年同月比では2ヵ月で減少に転じたが、1.1万平方メートル超えは5ヵ月連続となった。

▽建築主別では、公共建築物が615千平方メートル(同13.1%増)の同2ヵ月連続増となった。民間建築物は10,858千平方メートル(同4.2%減)と同2ヵ月で減少に転じたが、1千万平方メートルを5ヵ月連続となった。

▽用途別では、居住建築物は6,755千平方メートル(同3.5%減)と同2ヵ月連続減になる。非居住建築物も4,718千平方メートル(同3.3%減)と同2ヵ月で減少に転じた。

▽構造別では、鉄骨系のS造が4,595千平方メートル(同7.2%減)と同2ヵ月で減少に転じた。SRC造は196千平方メートル(同305.9%増)と同2ヵ月連続増となった。一方、RC造も1,773平方メートル(同0.8%減)の同2ヵ月で減少に転じた。木造は4,832千平方メートル(同3.9%減)の同3ヵ月連続減となった。

▽鉄骨需要換算では、S造は45万9,500トンとなり、40万トン超えは5ヵ月連続で推移している。また、SRC造は9,800トンとなり、1万トン超えは6ヵ月ぶりに1万トンを切った。鉄骨計では前年同月比5.7%減の46万9,300トンとなり、前月比では5.5%の増加となった。

17年度の4~8月ではS造が前年同期比3.6%増の224万3,900トンとなり、SRC造では同0.1%減の4万8,500トン。鉄骨計では229万2,400トンの同3.5%増となった。

16年8月-17年8月 鉄骨需要量の推移

S 造 前年比 SRC造 前年比 鉄骨造合計
16/8 495,400 18.4 2,400 ‐60.7 497,800
9 439,900 7.4 9,000 92.5 448,900
10 401,400 0.2 5,700 -61 407,100
11 415,400 4.5 3,250 -15.7 418,650
12 407,600 7.6 8,700 -41 416,300
17/1 426,500 21.9 6,400 -30.5 432,900
2 399,800 3.6 23,500 35.4 423,300
3 339,200 -1.9 5,450 -63 344,650
4 435,200 22.3 9,700 -6.6 444,900
5 435,600 -6.8 8,800 -55.7 444,400
6 479,500 5.2 9,400 -1.2 488,900
7 434,100 11 10,800 148.5 444,900
8 459,500 -7.2 9,800 305.9 469,300

(国土交通省調べ)

 

 

【建築関連統計】
日建連8月受注額9,553億円(前年同月比12.2%減)
民間工事額6,557億円(前年同期比1.6%減)

 日本建設業連合会(日建連)が9月27日に発表した会員企業96社の2017年8月受注工事総額は9,553億2,900万円(前年同月比11.9%減)となり、前年同月比では7ヵ月ぶりに1兆円を切った。うち民間工事は6,556億9,100万円(同1.6%減)で、同1ヵ月で減少に転じた。一方、官公庁工事も2,872億8,500万円(同28.8%減)の同1ヵ月で減少に転じた。

国内工事は9,444億8,400万円(同11.9%減)となり、同1ヵ月で2桁減となった。民間工事は6,556億9,100万円のうち、▽製造業が1,383億2,300万円(同28.1%増)となり、同2ヵ月連続での大幅増となった。▽非製造業が5,173億6,800万円(同7.4%減)の同2ヵ月で減少に転じた。

官公庁工事は2,872億8,500万円のうち、▽国の機関が1,521億1,700万円(同42.5%減)の同1ヵ月で大幅減となった。▽地方の機関が1,351億6,800万円(同2.7%減)の同1ヵ月で減少となった。▽その他が15億0,800万円(同4.9%増)の同1ヵ月で微増に戻った。なお▽海外工事は108億4,500万円(同34.7%減)の同7ヵ月ぶりに減少となった。

なお、17年度の4~8月累計の総計では5兆5,500億7,100万円(前年同期比0.9%増)となり、国内工事では5兆4,006億2,100万円(同0.2%減)、民間工事は3兆7,986億6,600万円(同1.4%減)、官公庁工事は1兆5,973億8,800万円(同3.1%増)、海外工事は1,494億5,000万円(同64.7%増)となった。

一方、17年8月の地域ブロック別では、▽北海道407億6,400万円(前年同月比30.2%増)の前年同期比3ヵ月連続増。▽東北650億5,300万円(同57.0%減)の同7ヵ月ぶりに大幅減。▽関東5,473億3,100円(同25.1%増)の同2ヵ月連続増。▽北陸247億9,200万円(同12.6%減)の同5ヵ月ぶりに減少となった。

▽中部616億1,900万円(同46.5%減)の同2ヵ月で減少。▽近畿1,202億1,900万円(同36.9%減)の同3ヵ月連続減。▽中国317億0,400万円(同22.6%減)の同1ヵ月で減少。▽四国156億9,700万円(同2.5%増)の同3ヵ月ぶりに微増。▽九州373億0,600万円(同39.0%減)の同4ヵ月ぶりに減少した。

地域ブロックにおいて前年同月比での増加は北海道、関東、四国の3ブロックとなり、減少は東北、北陸、中部、近畿、中国、九州は6ブロックとなった。

 

8月粗鋼生産873万トン(前年同月比2.0%減)
7月普通鋼鋼材建築用55万8,827トン(同14.5%増)

日本鉄鋼連盟が9月21日に発表した2017年8月の鉄鋼生産は、銑鉄、粗鋼、熱間圧延鋼材のいずれも前月比では増加したが、前年同月比では減少した。銑鉄生産は667.6万トン(前年同月比4.7%減)となり、前年同月比では7ヵ月連続減となった。粗鋼生産は873.1万トン(同2.0%減)となり、同4ヵ月連続減となった。

炉別生産をみると、▽転炉鋼が677.9万トン(同5.5%減)の同4ヵ月連続減、▽電炉鋼が195.2万トン(同12.3%増)となり、同11ヵ月連続増となった。また、鋼種別生産では、▽普通鋼が667.5万トン(同3.2%減)の同4ヵ月連続減となり、▽特殊鋼が205.6万トン(同2.1%増)となり同16ヵ月連続増となった。

熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は782.1万トン(同0.6%減)となり、同4ヵ月連続減となった。普通鋼熱間圧延鋼材の生産は616.9万トン(同2.6%減)となり、同6ヵ月連続減となった。

品種別では、▽条鋼類は143.3万トン(同0.6%増)で同4ヵ月ぶりの増加となった。▽鋼板類は469.9万トン(同3.5%減)となり、同7ヵ月連続減となった。

主要品種の生産内訳をみると、▽広幅帯鋼が383.6万トン(同1.8%減)と同4ヵ月連続減となった。▽厚板は80.9万トン(同11.0%減)と同9ヵ月連続減となった。一方、条鋼類では▽小形棒鋼が67.1万トン(同3.7%増)と同2ヵ月連続増となった。▽H形鋼は33.2万トン(同7.6%増)と同3ヵ月ぶりの増加、▽大形形鋼は6.1万トン(同3.2%減)と、同3ヵ月連続減、▽中小形形鋼は8.0万トン(同5.9%増)と同2ヵ月ぶりの増加となった。特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は165.2万トン(同7.8%増)となり、同16ヵ月連続増となった。

7月の普通鋼鋼材用途別受注量による建築用は55万8,827トン(同14.5%増)となり、▽非住宅用37万8,697トン(同8.9%増)、▽住宅用18万0,130トン(同28.5%増)となった。なお、建築用の17年度(4~7月)累計は205万0,618トン(前年同期比3.9%減)となり、非住宅は143万5,755トン(同2.7%減)、住宅は61万4,863トン(同6.7%減)となった。

7月溶接材料の出荷高2万1,449トン(前年同月比10.0%増)
生産高も2万2,456トン(同13.0%増)

 日本溶接材料工業会がまとめた2017年7月の溶接材料生産・出荷実績によると、生産高は前年同月比で13.0%増の2万2,456トンと6ヵ月連続増となった。また、出荷高でも同10.0%増の2万1,449トン7ヵ月連続増加した。また、在庫高は18.5%減の1万7,850トンとなった。

主要品種の生産高をみると、▽ソリッドワイヤ(SW)は8,896トン(前年同月比13.3%増)の同3ヵ月連続増となった。▽フラックス入りワイヤ(FCW)は7,678トン(同9.3%増)の同1ヵ月で増加に転じた。▽被覆アーク溶接棒は2,651トン(同18.3%増)の同4ヵ月連続増となった。その他を含む生産高は2万2,456トン(同13.0%増)となった。

出荷高は、▽ソリッドワイヤ(SW)が8,399トン(同11.5%増)の同6ヵ月連続増となった。▽フラックス入りワイヤ(FCW)は7,487トン(同7.9%増)の同2ヵ月で増加に転じた。▽被覆アーク溶接棒は2,425トン(同3.2%増)の同7ヵ月連続増加した。その他を含む出荷高は2万1,449トン(同10.0%増)となった。

在庫高は、▽ソリッドワイヤ(SW)は5,800トン(同36.4%減)となった。▽フラックス入りワイヤ(FCW)は6,117トン(同0.7%増)となった。▽被覆アーク溶接棒は3,012トン(同21.5%減)となった。 その他を含む合計在庫高は1万7,850トン(同18.5%減)となった。

 

【建築プロジェクト】
東京国際空港(羽田)第2旅客ターミナル施設など
S造・一部SRC造の2工事、総計8万平方メートル

観光庁調査による2017年の訪日外客数は9月15日時点で2,000万人を超えた。過去最速のペースとなっていることから昨年の2,403万9,000人を大幅に上回る勢いで増えている。2020年東京オリンピック・パラリンピックでは4,000万人との予測も出ており、各地の空港施設増設・改修が盛んになっている。

東京の空の玄関口である東京国際空港(日本空港ビルディング、東京都大田区羽田空港3丁目地内)は、国内線施設や立体駐車場整備が進み、今秋からは国際線第2ターミナルビル増築とターミナル北側サテライト棟及びボーディングステーション棟工事が順次開始された。国際線第2旅客ターミナルビル増築の規模は、S造・一部SRC造、地下1階・地上5階建て、延べ床面積約6万平方メートル。また、既設ターミナル3階上部の増築部は、S造・一部SRC造、2階建て、同7,200平方メートル。ほかに改修工事は、S造・一部SRC造、地下2階・地上5階建て、同2万1,000平方メートル。設計は梓設計・安井建築設計事務所・ペリクラーク・ペリーアーキテクツ・ジャパンJV。技術アドバイザーは三菱地所設計が担当。施工は大成建設が担当。17年10月着工し、19年12月に完成。

一方、第2ターミナル北側サテライト棟は、S造、地上3階建て、延べ床面積約8,400平方メートル、▽ボーディングステーション棟は、S造、地上2階、同430平方メートルの3ヵ所。設計は梓設計・松田平田設計JV、施工は竹中工務店が担当。9月に着工し、完成は18年9月予定。

 

【雑論・正論】
オトコの潔癖症

男らしいオトコ、誇り高きオトコが減ったが、ホコリ(埃)や汚れを極端に嫌う<潔癖症候群>のオトコは増えている。若手タレントの中には、キッチン・バス・トイレ・洗面所などを水回りをピカピカに磨き上げ、空気清浄器を何台も置き、毎日掃除機・洗濯機を使う。人の触るつり革やエスカレーターベルトを素手で触れられないという人もいる。

こんな人は神経質を通り越し、一種の強迫性障害の病気である。自分以外は不潔恐怖や洗浄強迫の対象であり、汚れへの強迫観念に囚われ、清潔への<洗浄儀式>がやめられなくなる。さまざまな抗菌グッズや洗浄液を買い揃えることで安堵し、レストランやホテルなどにも異常なこだわりをみせるため周囲から敬遠されがちになる。

オトコの潔癖症には女性も近寄りがたくなるので、結婚相手となると極めて限られる。ある調査で「50代男性のうち一度も結婚をしてないが24%」という驚く結果が公表されたが、その中には潔癖症オトコも多く含まれている。潔癖症は母親の育て方にあり「幼児期から過剰なまでの清潔癖をインプットされる」と言われるが、どうだろうか。

オトコは母親の影響を強く受け、少なからず<マザコン>である。昔、障子の桟を指でなぞって、奥さんに向かって「おーい、埃が残っている」と言った頑固おやじもマザコンだと思えば可笑しくなる。潔癖症の良いところは、おしゃれである。服装は勿論のこと、流行に敏感で色彩感覚にも優れ、持ち物や家具・調度品などにも気遣っている点である。細身でセンスが良く、ある種の完璧主義者でもある。肥満で脂ぎったオトコで潔癖症がいれば論外だが。

かく言う小生も多少のこだわりがある。10年ほど前から毎朝の部屋掃除を担当している。この数年前より食器洗いと風呂場など水回りの掃除も行っているが自分自身は「潔癖症とは思っていなく、日々の習慣」と思っている。外食では「乱雑で汚らしいが美味い店よりも多少不味くとも綺麗な店を好むため」軽い潔癖症なのかもしれない。

テレビの旅番組やフードレポートで、タレント同士がソフトクリームを舐め合ったり、ラーメンを食べ較べたりシーンを観るが、これには閉口する。過日、中華料理店で中年夫婦が向かい合って座って食べ始めた時、やおら奥さんがご主人の炒飯のエビを食べた。途中から自身の麺類と交換して食べ合う光景をみて気持ちが悪くなった。ある調査で虫歯の原因は「幼児期に母親が噛んだものを食べさせられた子どもに虫歯が最も多い」との報告もある。

大家族時代では潔癖症など少なかった。我がまま勝手が通る時代になりオトコらしさが消え、それに反してズボラな若い女性が目立つようになる。オーバーコートやセーターにペットの毛を付けていれば、美人でも興醒めする。

【加藤 文雄】