スノウチニュース<№225> 令和5年7月


【鉄骨需要月別統計】
5月鉄骨需要量は29万4,900トン(前年同月比17.3%減)
23暦年(1月~5月)需要量163万7,700トン(前年同期比10.4%減)

国土交通省が6月30日発表した「建築物着工統計調査」の2023年5月着工総面積は8,994千平方メ―トル(前年同月比7.3%減)となり、前年同月比では4ヵ月連続減となった。1ヵ月で10,000千平方メートル割れとなった。8,000平方メートル台は3月に次ぐ水準値となった。
建築主別は、▽公共建築物が439千平方メートル(同69.3%増)となり、同2ヵ月連続増となった。▽民間建築物は8,554千平方メートル(同9.4%減)となり、同4ヵ月連続減となった。
用途別は、▽居住建築物は5,739千平方メートル(同0.8%減)となり、同9ヵ月連続減となった。▽非居住建築物は3,254千平方メートル(同17.0%減)となり、同4ヵ月連続減となった。
構造別は、鉄骨建築の▽鉄骨造(S造)が2,874千平方メートル(同15.9%増)となり、同3ヵ月連続減となった。▽鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)が150千平方メートル(同50.1%減)の大幅増となり、同2ヵ月連続減となった。
一方、▽鉄筋コンクリート造(RC造)が2,024千平方メートル(同12.7%増)となり、同3ヵ月ぶりの増加となった。▽木造(W造)が3,874千平方メートル(同5.7%減)となり、同17ヵ月連続減となった。
鉄骨需要換算では、▽S造は28万7,400トン(前年同月比15.9%減)となり、同3ヵ月連続減となった。▽SRC造は7,500トン(同50.1%減)となり、同2ヵ月連続減となった。鉄骨造の合計では前月比26.1%減の29万4,900トン(前年同月比17.3%減)となった。
23年度(4~5月)の需要量は、▽S造が67万8,600トン(前年同期比8.9%減)、▽SRC造が1万5,400トン(同48.4%減)となり、鉄骨造の合計では69万4,000トン(同10.4%減)となった
23暦年(1~5月)の需要量は、▽S造が158万8,000トン(前年同期比10.5%減)、▽SRC造が4万9,700トン(同7.2%減)となり、鉄骨造の合計では163万7,700トン(同10.4%減)となった

22年5月-23年5月 鉄骨需要量の推移

年/月 S造(TON) 前年比(%) SRC造(TON) 前年比(%) 鉄骨造計(TON) 前年比(%)
2022/5 341,400 -11.9 15,050 178.2 356,450 6.1
424,700 3.0 6,500 -25.6 431,200 -9.3
434,900 17.5 12,300 126.0 447,200 2.4
350,100 8.6 6,350 73 356,450 19.1
321,600 -6.1 3,700 -58.7 325,300 -7.5
10 345,200 -35.0 10,700 -2.5 355,900 -34.3
11 345,600 -0.2 8,000 13.4 353,600 0.1
12 318,600 -25.5 7,150 -60.6 325,750 -26.9
2023/1 299,000 -14.0 20,150 178.8 319,150 -10.0
343,200 3.5 2,900 -74.7 346,100 0.9
267,200 -23.9 11,250 123.3 278,450 -21.9
391,200 -3.0 7,900 -46.6 399,100 -4.5
287,400 -15.9 7,500 -50.1 294,900 -17.3
暦年計(23/1~5) 1,588,000 -10.5 49,700 -7.2 1,637,700 -10.4
年度計(23/4~5) 678,600 -8.9 15,400 -48.4 694,000 -10.4

(国土交通省調べ)

 

【建築関連統計】
5月の粗鋼生産764.9万トン(前年同月比5.2%減)
4月普通鋼建築用44.6万トン(前年同月比15.0%減)

日本鉄鋼連盟は6月21日に発表した2023年5月の銑鉄生産は547.6万トン(前年同月比4.1%減)となり、前年同月比では17ヵ月連続減。粗鋼生産は764.9万トン(同5.2%減)となり、同17ヵ月連続減となった。
炉別生産では、▽転炉鋼が560.4万トン(同5.6%減)となり、同17ヵ月連続減、▽電炉鋼が204.5万トン(同4.0%減)となり、同10ヵ月連続減となった。鋼種別生産では、▽普通鋼が597.1万トン(同5.0%減)となり、同17ヵ月連続減、▽特殊鋼が167.8万トン(同5.6%減)となり、同16ヵ月連続減となった。
▽熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)の生産は675.6万トン(同3.7%減)となり、同17ヵ月連続減となった。▽普通鋼熱間圧延鋼材の生産は538.5万トン(同3.8%減)となり、同12ヵ月連続減となった。▽特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は137.1万トン(同3.2%減)となり、同16ヵ月連続減となった。
一方、4月の普通鋼鋼材用途別受注量は、▽建築用が44万6,516トン(前年同月比15.0%減)。うち▽非住宅が32万3,395トン(同17.0%減)、▽住宅が12万3,121トン(同9.4%減)となった。
22暦年(1~4月)の普通鋼鋼材用途別受注量では、▽建築用が179万8,213トン(前年同期比12.8%減)。うち▽非住宅が122万5,123トン(同20.2%減)となり、▽住宅が57万3,090トン(同8.5%増)となった。


4月溶接材料の出荷量1万6,367トン(前年同月比2.6%減)
22暦年(1月~4月)の総出荷量6万7,091トン(前年同期比4.2%減)

日本溶接材料工業会が発表した2023年4月の溶接材料実績(生産・出荷・在庫)は、▽生産量が167,513トン(前年同月比2.8%減)となり、前年同月比では6ヵ月連続減。▽出荷量が1万6,367トン(同2.6%減)となり、同7ヵ月連続減。▽在庫量が1万7,994トン(同2.2%増)となり、同14ヵ月連続増となった。
生産量の主な品種は▽ソリッドワイヤ(SW)が6,594トン(同6.0%減)となり、同6ヵ月連続減。▽フラックス入りワイヤ(FCW)が5,777トン(同2.3%減)となり、同3ヵ月連続減。▽被覆アーク溶接棒が1,936トン(同5.3%減)となり、同1ヵ月で増加に転じた。その他を含む生産量計では1万6,513トン(同2.8%減)となった。
出荷量の主な品種は▽SWが6,728トン(同6.4%減)となり、同2ヵ月連続減。▽FCWが5,660トン(同0.5%増)の微増となり、同9ヵ月ぶりの増加。▽溶接棒が1,810トン(同3.9%減)となり、同4ヵ月ぶりの減少。その他を含む出荷量計では1万6,367トン(同2.6%減)となった。
在庫量の主な品種は▽SWが6,600トン(同9.6%増)となり、同15ヵ月連続増。▽FCWが6,568トン(同7.9%増)となり、同9ヵ月連続増。▽溶接棒が2,829トン(同22.2%減)となり、同8ヵ月連続減。その他を含む在庫量計では1万7,994トン(同2.2%増)となった。
23暦年(1月~4月)の総生産量は6万7,283トン(前年同期比6.6%減)となり、総出荷量では6万7,091トン(同4.2%減)。
なお、財務省の貿易統計による4月の輸出量は2,548トン(前年同月比1.2%増)となり、輸入量は5,582トン(同6.8%減)となった。なお、23暦年(1月~4月)の輸出量は1万0,969トン(前年同期比0.8%増)、輸入量は2万3,002トン(同0.1%増)となった。

22年4月-23年4月 溶接材料月別実績表

生産量 単位/トン
年/年度 ソリッドワイヤ 前年比
フラックス入りワイヤ 前年比
被 覆
溶接棒
前年比
合 計 前年比
2022年度 4 7,017 ▼5.5 5,910 ▼2.3 1,839 ▼14.3 16,997 ▼7.1
5 7,022 ▼4.2 5,245 ▼1.1 1,648 ▼17.4 16,178 ▼4.4
6 7,432 ▼6.5 6,208 ▼4.3 1,894 ▼22.1 18,139 ▼5.9
7 7,347 ▼4.4 5,451 ▼7.0 1,994 ▼10.1 17,444 ▼3.0
8 5,788 ▼9.2 5,357 16.8 1,938 ▼19.5 15,415 0.3
9 7,657 1.9 5,777 ▼5.8 2,155 ▼10.4 18,202 0.3
10 8,130 3.9 6,078 ▼5.5 2,154 ▼12.8 19,084 1.5
11 7,734 ▼2.4 6,364 ▼0.4 2,268 ▼6.2 18,896 ▼1.3
12 6,867 ▼8.3 5,419 ▼9.9 2,575 7.4 17,274 ▼5.3
2023暦年 1 6,420 ▼9.0 5,186 6.5 2,095 ▼2.1 15,800 ▼4.6
2 7,090 ▼6.6 5,241 ▼12.8 2,533 13.2 17,007 ▼7.5
3 7,186 ▼14.2 6,274 ▼12.3 2,334 ▼0.2 17,963 ▼10.4
2023年度 4 6,594 ▼6.0 5,777 ▼2.3 1,936 5.3 16,513 ▼2.8
2023年度(4月) 6,594 ▼6.0 5,777 ▼2.3 1,936 5.3 16,513 ▼2.8
2023暦年(1~4月) 27,290 ▼9.2 22,478 ▼6.1 8,898 ▼4.0 67,283 ▼6.6

注:合計はその他の溶接材料を含めたもの。

出荷量 単位/トン
年/年度 ソリッドワイヤ 前年比
フラックス入りワイヤ 前年比
被 覆
溶接棒
前年比
合 計 前年比
2022年度 4 7,190 ▼20.1 5,633 ▼14.1 1,883 ▼24.6 16,806 ▼14.7
5 6,796 ▼2.0 5,521 ▼5.9 1,881 ▼12.3 16,289 ▼4.3
6 7,330 ▼8.2 5,693 ▼10.2 2,366 6.8 18,000 ▼5.2
7 6,903 ▼6.1 5,984 7.7 1,977 ▼5.9 17,498 1.9
8 6,360 ▼6.9 5,503 ▼0.6 2,154 ▼8.1 16,497 ▼2.2
9 8,005 ▼2.7 5,948 ▼1.9 2,372 10.1 18,991 0.9
10 7,335 ▼0.6 5,722 ▼9.5 2,186 7.9 17,923 ▼1.0
11 7,630 2.3 5,821 ▼1.9 2,378 3.6 18,250 ▼0.2
12 7,073 ▼8.5 5,376 ▼13.5 2,202 ▼6.2 17,056 ▼8.3
2023暦年 1 6,282 ▼13.6 5,306 ▼4.2 2,382 15.1 16,180 ▼6.9
2 7,156 1.7 5,330 ▼10.4 2,340 10.3 16,961 ▼3.3
3 7,091 ▼10.4 6,096 ▼0.9 2,281 23.6 17,583 ▼3.7
2023年度(4月) 4 6,728 ▼6.4 5,660 0.5 1,810 ▼3.9 16,367 ▼2.6
2023年度(4月) 6,728 ▼6.4 5,660 0.5 1,810 ▼3.9 16,367 ▼2.6
2023暦年(1~4月) 27,257 ▼7.3 22,392 ▼3.8 8,813 11.3 67,091 ▼4.2

注:合計はその他の溶接材料を含めたもの。

日本溶接材料工業会

 

【建築プロジェクト】
龍谷大学深草キャンパス大規模整備の3棟鹿島、1棟竹中工務店
S造・一部RC・SRC造、5・6階建て、延べ床約3万平米

龍谷大学は2039年度末に創立400周年を迎えるため「龍谷大学基本構想400」(構想400)の一環として、深草キャンパス(京都市伏見区深草塚本町地内)に大規模施設を建設し、社会科学の集積拠点と新たな知識、価値を創出する施設とする。
構想400で計画している新棟は「北エリア」に▽2号館北側・新棟と、「南エリア」に▽10・11号館跡地・新棟▽12号館(体育館)北側・新棟▽紫光館別館跡地・新棟の4棟を建設する。施設は総延べ床面積約3万平方メートルとなるほか、既存12号館(体育館)は耐震改修する。設計は建築家・飯田善彦氏のアーキシップスタジオ(横浜・中区)が担当。
4棟の構造・規模は、▽2号館北側・新棟はS造、一部RC造・SRC造、地下1階・地上5階建て、延べ床面積約8,030平方メートル(講義室やStudyラウンジ、研究関連施設)。▽10・11号館跡地・新棟はS造・一部RC造・SRC造、地上5階建て、同7,840平方メートル(講義室や研究室、社会連携を推進する「Ryukoku Extension Center」の事務室、インキュベート施設)。▽12号館北側・新棟はS造・一部RC造・SRC造、地上6階建て、同5,600平方メートル(飲食所や講義室など整備)。3棟の施工を鹿島が担当し、8月以降順次着工、25年3月完成する予定。
4棟目の▽紫光館別館跡地・新棟はS造・一部RC造・SRC造、地上5階建て、同7,820平方メートル(課外活動施設とし、トレーニング室や音楽系サークル練習室などを配置)。施工は竹中工務店が担当し、24年1月に着工、25年4月完成予定。
龍谷大学によると、構想400は大規模整備のコンセプトを「深草を森にする」とし、新棟建築に緑豊かなデザインを採用し、多様な人が集い交流する森のキャンパスとして整備する。同大学のカーボンニュートラル宣言に基づき、環境に対する姿勢を表現する。 南北エリアを上空通路(歩道橋)で接続して、シームレスに一体化した教育・研究エリアを目指し、地域とより一体化する。仏教SDGs「誰一人取り残さない」取組として、独自の「ユニバーサルデザイン設計標準書」に基づき施設を建設する。


【時論・公論】
高層化する木造ハイブリット構造

 住宅の戸建て木造(W造)3階建てが認められ35年が過ぎ、W造3階建て住宅が一般化した。近年、建築基準法の施行令改正や国土交通大臣認定を受けたCLT(直交集積板)など耐火性能(2~3時間耐火)により20階建てまで可能になった。純W造やW造・鉄骨造(S造)ハイブリット構造による中高層ビルの建設計画が増えてきた。
 純W造ビルでは、シェルター(山形市)が設計・施工(D・B)による仙台市内で21年2月完成の「高惣木工ビル」(地上7階建て、高さ約27.4メートル)が最も高いW造のビルだった。大林組が横浜市内に純W造の「Port Plus大林組横浜研修所」を地下階鉄筋コンクリート(RC造)・地上11階建て、高さ44メートルを22年4月完成した。
一方、W・S構造では野村不動産が東京都渋谷区に7階建て、高さ31メートルの「H1O青山」を熊谷組(D・B)で22年10月完成予定。W・RC構造では相鉄不動産が横浜市泉区で地上5階建て「MOCXION」を三井ホーム(D・B)が5月着工、来年5月完成予定。W・S構造では第一生命保険が東京都中央区に地下2階・地上12階建て、高さ56メートルを清水建設(D・B)で25年に完成予定。他に、丸井が渋谷に9階建て複合ビル計画もある。
国内最大規模のW・S造構造ビルでは、三井不動産が5月末に発表した「日本橋本町1丁目3番計画」がある。地下1階・地上18階建て、高さ84メートルの高層ビルとなる。竹中工務店(D・B)が11月に着工し、26年7月の完成を目指す。構造木材は竹中工務店が開発した耐火集成材「燃エンウッド」を採用し、安全性を高めている。
耐火木材によるW造とS造・RC造などのハイブリット構造の高層建築化はますます顕著な普及をするとみられる。
ハイブリット構造の接続架構法は、ゼネコン各社の独自開発技術(大臣認定)で施工されている。2月発表した東北大学大学院前田研究室、堀江建築工学研究所、宮城県CLT等普及推進協議会が開発した「CLTパネル+鉄骨架構のハイブリット型木造構造」と同構法の「普及型木質系中層ビル」架構法。S造フレーム+CLT壁の4階建て事務所、S造梁+CLT壁柱の集合住宅構造解析モデルを構築し、構造性能の検証を発表、括目されている。
何と言ってもW造のビッグプロジェクトは、住友林業が18年に発表した<41年に創業350周年「構想W350」>は、東京・丸の内に高さ350メートルの超高層W・S造構造、地上70階建て、延べ床面積約45.5万平方メートルを建てる計画。使用木材量18万5,000立方メートル、総工費試算6,000億円、設計協力は日建設計。国土の7割近くを山岳森林が占め、木造建築に長い歴史を有するニッポンに待望の「超高層木造ビル」が現実化する。
【加藤 文雄】