スノウチニュース<№226> 令和5年8月


【鉄骨需要月別統計】
6月鉄骨需要量は31万0,400トン(前年同月比28.0%減)
23暦年(1月~6月)需要量194万8,100トン(前年同期13.8%減)

国土交通省が7月31日発表した「建築物着工統計調査」の2023年6月着工総面積は9,177千平方メ―トル(前年同月比16.9%減)となり、前年同月比では5ヵ月連続減となった。2ヵ月連続で10,000千平方メートル割れとなった。9,000平方メートル台は2月に次ぐ水準値となった。
建築主別は、▽公共建築物が261千平方メートル(同14.5%減)となり、同3ヵ月ぶりの減少となった。▽民間建築物は8,916千平方メートル(同17.0%減)となり、同5ヵ月連続減となった。
用途別は、▽居住建築物は6,029千平方メートル(同3.7%減)となり、同10ヵ月連続減となった。▽非居住建築物は3,148千平方メートル(同34.2%減)の大幅減となり、同5ヵ月連続減となった。
構造別は、鉄骨建築の▽鉄骨造(S造)が2,993千平方メートル(同29.6%減)となり、同4ヵ月連続減となった。▽鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)が222千平方メートル(同70.5%増)の大幅増となり、同3ヵ月ぶりの増加となった。
一方、▽鉄筋コンクリート造(RC造)が1,862千平方メートル(同12.6%減)となり、同1ヵ月で減少となった。▽木造(W造)が4,032千平方メートル(同9.6%減)となり、同18ヵ月連続減となった。
鉄骨需要換算では、▽S造は29万9,300トン(前年同月比29.6%減)となり、同4ヵ月連続減となった。▽SRC造は11,100トン(同70.5%増)となり、同3ヵ月ぶりの増加となった。鉄骨造の合計では前月比5.3%増の31万0,400トン(前年同月比17.3%減)となった。
23年度(4~6月)の需要量は、▽S造が97万7,900トン(前年同期比14.2%減)、▽SRC造が2万6,550トン(同27.2%減)となり、鉄骨造の合計では100万4,450トン(同16.7%減)となった
23暦年(1~6月)の需要量は、▽S造が188万7,300トン(前年同期比10.5%減)、▽SRC造が6万0,800トン(同1.3%増)となり、鉄骨造の合計では194万8,100トン(同13.8%減)となった

22年6月-23年6月 鉄骨需要量の推移

年/月 S造(TON) 前年比(%) SRC造(TON) 前年比(%) 鉄骨造計(TON) 前年比(%)
2022/6 424,700 3.0 6,500 -25.6 431,200 -9.3
434,900 17.5 12,300 126.0 447,200 2.4
350,100 8.6 6,350 73 356,450 19.1
321,600 -6.1 3,700 -58.7 325,300 -7.5
10 345,200 -35.0 10,700 -2.5 355,900 -34.3
11 345,600 -0.2 8,000 13.4 353,600 0.1
12 318,600 -25.5 7,150 -60.6 325,750 -26.9
2023/1 299,000 -14.0 20,150 178.8 319,150 -10.0
343,200 3.5 2,900 -74.7 346,100 0.9
267,200 -23.9 11,250 123.3 278,450 -21.9
391,200 -3.0 7,900 -46.6 399,100 -4.5
287,400 -15.9 7,500 -50.1 294,900 -17.3
299,300 -29.6 11,100 70.5 310,400 -28.0
暦年計(23/1~6) 1,887,300 -10.5 60,800 1.3 1,948,100 -13.8
年度計(23/4~6) 977,900 -14.2 26,550 -27.1 1,004,450 -16.7

(国土交通省調べ)

 

【建築関連統計】
6月の粗鋼生産732.5万トン(前年同月比1.7%減)
5月普通鋼建築用39.9万トン(前年同月比18.0%減)

日本鉄鋼連盟は7月21日に発表した2023年6月の銑鉄生産は524.9万トン(前年同月比0.1%増)となり、前年同月比で18ヵ月ぶりの増加。粗鋼生産は732.5万トン(同1.7%減)となり、同18ヵ月連続減となった。
炉別生産では、▽転炉鋼が532.1万トン(同0.4%増)となり、同18ヵ月ぶりの増加、▽電炉鋼が200.4万トン(同6.6%減)となり、同11ヵ月連続減となった。鋼種別生産では、▽普通鋼が568.1万トン(同1.3%減)となり、18ヵ月連続減、▽特殊鋼が164.4万トン(同3.0%減)となり、同17ヵ月連続減となった。
▽熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)の生産は647.7万トン(同0.6%増)となり、同18ヵ月ぶりの増加となった。▽普通鋼熱間圧延鋼材の生産は513.7万トン(同0.8%増)となり、同13ヵ月ぶりの増加となった。▽特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は134.1万トン(同0.4%減)となり、同17ヵ月連続減となった。
一方、5月の普通鋼鋼材用途別受注量は、▽建築用が39万8,905トン(前年同月比18.0%減)。うち▽非住宅が29万1,295トン(同20.2%減)、▽住宅が10万7,610トン(同11.1%減)となった。
22年度(4~5月)の用途別受注量では、▽建築用が84万5,421トン(前同期比16.4%減)。うち▽非住宅が61万4,690トン(同18.6%減)となり、▽住宅が23万0,731トン(同10.2%減)となった。
22暦年(1~5月)の用途別受注量では、▽建築用が219万7,118トン(前年同期比13.8%減)。うち▽非住宅が151万6,418トン(同20.2%減)となり、▽住宅が68万0,700トン(同4.8%増)となった。



5月溶接材料の出荷量1万6,122トン(前年同月比1.0%減)
22暦年(1月~5月)の総出荷量8万3,213トン(前年同期比3.6%減)

日本溶接材料工業会が発表した2023年5月の溶接材料実績(生産・出荷・在庫)は、▽生産量が1万5,477トン(前年同月比4.3%減)となり、前年同月比では7ヵ月連続減。▽出荷量が1万6,122トン(同1.0%減)となり、同8ヵ月連続減。▽在庫量が1万7,349トン(同0.8%減)の微減となり、同15ヵ月ぶりの減少となった。
生産量の主な品種は▽ソリッドワイヤ(SW)が6,412トン(同8.6%減)となり、同7ヵ月連続減。▽フラックス入りワイヤ(FCW)が5,240トン(同0.0%)となった。▽被覆アーク溶接棒が1,888トン(同14.5%減)となり、同2ヵ月連続増となった。その他を含む生産量計では1万5,477トン(同4.3%減)となった。
出荷量の主な品種は▽SWが6,469トン(同4.8%減)となり、同3ヵ月連続減。▽FCWが5,606トン(同1.5%増)となり、同2ヵ月連続増。▽溶接棒が1,972トン(同4.8%増)となり、同1ヵ月で増加に転じた。その他を含む出荷量計では1万6,122トン(同1.0%減)となった。
在庫量の主な品種は▽SWが6,542トン(同4.7%増)となり、同16ヵ月連続増。▽FCWが6,202トン(同6.7%増)となり、同10ヵ月連続増。▽溶接棒が2,745トン(同19.2%減)となり、同9ヵ月連続減。その他を含む在庫量計では1万7,349トン(同0.8%増)となった。
23年度(4月~5月)の総生産量は3万1,990トン(前年同期比3.6%減)となり、総出荷量では3万2,489トン(同1.8%減)。一方、23暦年(1月~5月)の総生産量は8万2,760トン(前年同期比6.1%減)となり、総出荷量では8万3,213トン(同3.6%減)。
なお、財務省の貿易統計による5月の輸出量は2,709トン(前年同月比0.1%増)となり、輸入量は4,774トン(同26.1%減)となった。
23年度(4月~5月)の輸出量は5,257トン(前年同期比0.6%増)、輸入量は1万0,356トン(同16.8%減)となった。一方、23暦年(1月~5月)の輸出量は1万3,678トン(前年同期比0.7%増)、輸入量は2万7,776トン(同5.6%減)となった。

22年5月-23年5月 溶接材料月別実績表

生産量 単位/トン
年/年度 ソリッドワイヤ 前年比
フラックス入りワイヤ 前年比
被 覆
溶接棒
前年比
合 計 前年比
2022年度 5 7,022 ▼4.2 5,245 ▼1.1 1,648 ▼17.4 16,178 ▼4.4
6 7,432 ▼6.5 6,208 ▼4.3 1,894 ▼22.1 18,139 ▼5.9
7 7,347 ▼4.4 5,451 ▼7.0 1,994 ▼10.1 17,444 ▼3.0
8 5,788 ▼9.2 5,357 16.8 1,938 ▼19.5 15,415 0.3
9 7,657 1.9 5,777 ▼5.8 2,155 ▼10.4 18,202 0.3
10 8,130 3.9 6,078 ▼5.5 2,154 ▼12.8 19,084 1.5
11 7,734 ▼2.4 6,364 ▼0.4 2,268 ▼6.2 18,896 ▼1.3
12 6,867 ▼8.3 5,419 ▼9.9 2,575 7.4 17,274 ▼5.3
2023暦年 1 6,420 ▼9.0 5,186 6.5 2,095 ▼2.1 15,800 ▼4.6
2 7,090 ▼6.6 5,241 ▼12.8 2,533 13.2 17,007 ▼7.5
3 7,186 ▼14.2 6,274 ▼12.3 2,334 ▼0.2 17,963 ▼10.4
2023年度 4 6,594 ▼6.0 5,777 ▼2.3 1,936 5.3 16,513 ▼2.8
5 6,412 ▼8.6 5,240 ▼0.0 1,888 14.5 15,477 ▼4.3
2023年度(4~5月) 13,006 ▼7.4 11,017 ▼1.2 3,824 9.7 31,990 ▼3.6
2023暦年(1~5月) 33,702 ▼9.1 27,718 ▼5.1 10,786 5.7 82,760 ▼6.1

注:合計はその他の溶接材料を含めたもの。

出荷量 単位/トン
年/年度 ソリッドワイヤ 前年比
フラックス入りワイヤ 前年比
被 覆
溶接棒
前年比
合 計 前年比
2022年度 5 6,796 ▼2.0 5,521 ▼5.9 1,881 ▼12.3 16,289 ▼4.3
6 7,330 ▼8.2 5,693 ▼10.2 2,366 6.8 18,000 ▼5.2
7 6,903 ▼6.1 5,984 7.7 1,977 ▼5.9 17,498 1.9
8 6,360 ▼6.9 5,503 ▼0.6 2,154 ▼8.1 16,497 ▼2.2
9 8,005 ▼2.7 5,948 ▼1.9 2,372 10.1 18,991 0.9
10 7,335 ▼0.6 5,722 ▼9.5 2,186 7.9 17,923 ▼1.0
11 7,630 2.3 5,821 ▼1.9 2,378 3.6 18,250 ▼0.2
12 7,073 ▼8.5 5,376 ▼13.5 2,202 ▼6.2 17,056 ▼8.3
2023暦年 1 6,282 ▼13.6 5,306 ▼4.2 2,382 15.1 16,180 ▼6.9
2 7,156 1.7 5,330 ▼10.4 2,340 10.3 16,961 ▼3.3
3 7,091 ▼10.4 6,096 ▼0.9 2,281 23.6 17,583 ▼3.7
2023年度 4 6,728 ▼6.4 5,660 0.5 1,810 ▼3.9 16,367 ▼2.6
5 6,469 ▼4.8 5,606 1.5 1,972 4.8 16,122 ▼1.0
2023年度(4~5月) 13,197 ▼5.6 11,266 1.0 3,782 0.5 32,489 ▼1.8
2023暦年(1~5月) 33,726 ▼6.9 27,998 ▼3.1 10,785 10.1 83,213 ▼3.6

注:合計はその他の溶接材料を含めたもの。

日本溶接材料工業会

 

【建築プロジェクト】
品川区東品川2丁目計画(マンション)は長谷工が担当
SRC造、34階建て、延べ床約3万平米

高層建築物の躯体構造がハイブリット構造化し、SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)の単体構造は珍しくなっている。東京都品川区の天王洲地区に建設する高層マンションの「品川区東品川2丁目計画」(品川区東品川2-1-2ほか)は、SRC造、地上34階建て、高さ約125メートル、敷地面積約2,457平方メートル、建築面積約1,141平方メートル、延床面積約2万9,986平方メートルで計画されている。建築主は三井不動産レジデンシャル、設計・施工は長谷工コーポレーションで2024年1月に着工、27年5月に完成予定となっている。
建設地は東京モノレール・天王洲アイル駅、りんかい線・天王洲アイル駅の西側とし、駅から徒歩5分程の距離で、天王洲運河に面している。西側へ行けば徒歩10分程度で京急・新馬場駅と利便性の高い場所で、羽田国際空港や新幹線品川駅、都心へのアクセスも良く至便な環境である。


「天神1-7計画」は大林組で来年6月着工
S造・SRC造、地下4階・地上20階建て、延床7万4,020平米

三菱地所の開発プロジェクト「天神1-7計画」(福岡市中央区天神1-326-1ほか)の準備工事は7月に大林組の施工で着手し、本体工事は24年6月に着工され、26年3月の完成を目指す。
建設地は複合商業施設「イムズ」の跡地で、敷地面積約4,640平方メートル。 建設する複合ビルは福岡市が進めるビル建て替え誘導プロジェクト<天神ビッグバン>の容積率緩和措置の適用を受ける。
建物規模はS造・一部SRC造、地下4階・地上20階・塔屋1層建て、延べ床面積約7万4,020平方メートル、高さは91メートルとなる。地下4~3階は駐車場と機械室、地下2階~地上5階は店舗やホテル、オフィス、6階は機械室、7~15階はオフィスとし、16階以上にもホテルを配置する。同計画ビルの設計は三菱地所設計が担当。
建物外装の木造構造部は、三菱地所も出資する総合木材のMEC Industry製のCLT(直交集成板)のパネルと植栽を有機的に配置する。CLT使用量は450立方メートル以上を想定。渡辺通りに面する敷地南西側の低層部はV字柱と吹き抜け空間をつくり、シンボリックでかつランドマーク性の高いデザインの空間を設けている。


【時論・公論】
 関東大地震と2つの周期説

「関東大震災」は、1923年(大正12)9月1日(土曜日)午前11時58分に起きた。犠牲者の大半が東京都と神奈川県が占め、死者・行方不明者は15.5万人。倒壊家屋が10.9万棟、全焼家屋が21.2万棟。沿岸部には最大12メートルの津波が襲った。震源地は小田原沖でマグニチュード7.9、震度6~7。甚大な地震災害となった。
日本列島は<地震の巣>と言われており、陸地は「北米プレート」「ユーラシアプレート」、海沖は「フィリピンプレート」「太平洋プレート」の4つのプレートが交差している。首都圏での地震源は、フィリピンプレートの下に、太平洋プレートが沈み込む過程で起きると言われ、関東の大地震<69年周期>が唱えられるが今年で百年目となる。
この69年周期説は、東大地震研究所所長の故・河角廣東大教授(1904年7月12日-72年12月12日)で、「69年+13年(危険期・標準偏差)」の学説。その論拠は、1703年元禄関東地震~1782年天明小田原地震(前地震より79年)~1855年安政江戸地震(同73年)~1923年関東大震災(同68年)をベースにしている。
この周期説の最大偏差値の2005年まで首都圏を襲う大きな地震がなかった。だが、この百年間は全国各地で多発する大地震による災害にもかかわらず、関東地域では周期説に逆らうように中規模な地震だけであった。
『ウェザーニュース』HPで「消えた、<69年周期説>」と題し、元東大地震研究所所長の都司嘉宣氏が故河角廣博士の唱えた「69年周期説は誤りだ」とする解説を紹介している。その解説を要約すると<河角博士は9世紀以降の震度5以上の地震年表から確率論を使って、69±13年の周期性があるとした。しかし、南関東で周期的に起きる地震は2種類あり、その1つが70~80年に1回起きるM7クラスのプレート内地震、もう1つは約200年に1回起きるM8クラスのプレート間地震の2つを混同した周期説>とし、プレート内とプレート間との違いを指摘。
さらに、<1923年関東大震災前の1703年元禄関東地震と、遡る1495年明応関東地震、1293年永仁関東地震と約200年の周期で発生している。この学説だと次の関東大震災は2130年前後ということになり、次の巨大地震は100年以上先になる。だが、プレート内地震は70~80年周期とされ、M7クラスの地震はいつ起こってもおかしくないので油断はできない>と結んでいる。どちらの周期説であれ、まずは大地震に備える必要がある。
<大震災は忘れた頃にやってくる>を肝に命じ、建築物の耐震・制振・耐火化は勿論のこと、常に食料・日常品の備蓄や家族での避難先確認などが欠かせない。関東大震災から100年の節目を迎え、教訓を学んでほしい。

【加藤 文雄】