スノウチニュース<№229> 令和5年11月


【鉄骨需要月別統計】
9月鉄骨需要量は32万5,300トン(前年同月比0.0%)
23年度(4月~9月)需要量195万2,700トン(前年同期16.4%減)

国土交通省が10月31日発表した「建築物着工統計調査」の2023年9月着工総面積は9,200千平方メ―トル(前年同月比5.1%減)となり、前年同月比では8ヵ月連続減となった。前年同月比では昨年9月以降では今年4月の10,298千平方メートルのみで、後は全て8,000(3回)~9,000千平方メートル台(9回)となった。
建築主別は、▽公共建築物が440千平方メートル(同33.2%増)となり、同1ヵ月で増加となった。▽民間建築物は8,760千平方メートル(同6.4%減)となり、同8ヵ月連続減となった。
用途別は、▽居住建築物は5,583千平方メートル(同8.5%減)となり、同13ヵ月連続減となった。▽非居住建築物は3,617千平方メートル(同0.8%増)の微増となり、同8ヵ月ぶりの増加となった。
構造別では、鉄骨建築物の▽鉄骨造(S造)が3,201千平方メートル(同0.7%減)の微減となり、同7ヵ月連続減となった。▽鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)が104千平方メートル(同40.6%増)の大幅増となり、同2ヵ月連続増となった。
一方、▽鉄筋コンクリート造(RC造)が1,736千平方メートル(同10.1%減)となり、同4ヵ月連続減となった。▽木造(W造)が3,996千平方メートル(同8.7%減)となり、同21ヵ月連続減となった。
鉄骨需要換算では、▽S造は32万0,100トン(前年同月比0.7%減)となり、同7ヵ月連続減となった。▽SRC造は5,200トン(同40.6%増)となり、同2ヵ月連続増となった。鉄骨造の合計では前月比9.0%増の32万5,300トン(前年同月比0.0%減)となった。
23年度(4~9月)の需要量は、▽S造が190万2,100トン(前年同期比16.5%減)、▽SRC造が5万0,600トン(同13.8%減)となり、鉄骨造の合計では195万2,700トン(同16.4%減)となった
23暦年(1~9月)の需要量は、▽S造が281万1,600トン(前年同期比15.0%減)、▽SRC造が8万4,900トン(同3.0%増)となり、鉄骨造の合計では289万6,500トン(同14.5%減)となった

22年9月-23年9月 鉄骨需要量の推移

年/月 S造
(TON)
前年比
(%)
SRC造
(TON)
前年比
(%)
鉄骨造計
(TON)
前年比
(%)
2022年9月 321,600 -6.1 3,700 -58.7 325,300 -7.5
10月 345,200 -35.0 10,700 -2.5 355,900 -34.3
11月 345,600 -0.2 8,000 13.4 353,600 0.1
12月 318,600 -25.5 7,150 -60.6 325,750 -26.9
2023年1月 299,000 -14.0 20,150 178.8 319,150 -10.0
2月 343,200 3.5 2,900 -74.7 346,100 0.9
3月 267,200 -23.9 11,250 123.3 278,450 -21.9
4月 391,200 -3.0 7,900 -46.6 399,100 -4.5
5月 287,400 -15.9 7,500 -50.1 294,900 -17.3
6月 299,300 -29.6 11,100 70.5 310,400 -28.0
7月 313,700 -27.9 10,900 -11.4 324,600 -27.4
8月 290,500 -17.3 8,000 26 298,500 -16.3
9月 320,100 -0.7 5,200 40.6 325,300 0.0
暦年計(23年1~9月) 2,811,600 -15.0 84,900 3.0 2,896,500 -14.5
年度計(23年4~9月) 1,902,100 -16.5 50,600 -13.8 1,952,700 -16.4

(国土交通省調べ)

 

【建築関連統計】
日建連9月総受注額2兆1,557億円(前年同月比0.2%増)
民間工事1兆5,871億2,000万円(同17.3%増)
23年度上期受注総額7兆円9,072億円(前年同期比4.6%増)

日本建設業連合会(日建連)が発表した会員企業93社の2023年9月分の受注工事総額は2兆1,556億6,500万円(前年同月比0.2%増)の微増となり、2兆円台は今年3月に次ぐ水準、前年同月比では1ヵ月で増加に転じた。民間工事が1兆5,871億2,000万円(同17.3%増)。官公庁工事が4,922億8,900万円(同14.6%増)となった。
国内工事が2兆1,023億6,600万円(同7.7%増)となり、前年同月比では1ヵ月で増加に転じた。民間工事の1兆5,871億2,000万円のうち、▽製造業が2,508億5,100万円(同30.0%減)の大幅減となり、同8ヵ月連続減。▽非製造業13,362億6,900万円(同34.4%増)の大幅増となり、同6ヵ月連続増となった。
官公庁工事の4,922億8,900万円のうち、▽国の機関が2,763億6,800万円(同38.6%減)の大幅減となり、同5ヵ月ぶりの減少となった。▽地方の機関が2,159億2,100万円(同70.3%増)の2ヵ月連続大幅増となった。▽その他が229億5,700万円(同0.2%減)の微減となり、同2ヵ月連続減となった。▽海外工事が532億9,900万円(同73.3%減)の大幅減となり、同5ヵ月連続減となった。
なお、2023年度上期(4月~9月)の受注総額は7兆9,071億5,500万円(前年同期比4.6%増)となり、過去20年間で最高の受注高となった。そのうち、▽国内工事が7兆6,567億4,500万円(前年同期比8.5%増)、▽民間工事が5兆6,878億7,600万円(同7.2%増)、▽官公庁工事が1兆9,238億6 100(同12.4%増)、▽海外工事が2,504億1,000万円(同50.3%減)となった。
9月の地域ブロック別受注工事額は、▽北海道が635億8,400万円(前年同月比78.4%増)となり、前年同月比では1ヵ月で増加に転じた。▽東北が1,168億2,300万円(同56.5%減)の大幅増となり、同5ヵ月ぶりの増加となった。▽関東が1兆2,144億5,300万円(同42.5%増)の大幅増となり、同4ヵ月連続増となった。▽北陸が476億6,000万円(同6.9%減)となり、同8ヵ月連続減となった。
▽中部が1,031億5,200万円(同20.0%減)となり、同4ヵ月連続減となった。▽近畿が2,848億8,900万円(同3.2%減)となり、同3ヵ月連続減となった。▽中国が987億8,100万円(同95.8%減)の大幅増となり、同3ヵ月ぶりの増加となった。▽四国が204億4,800万円(同34.3%減)となり、同1ヵ月で減少となった。▽九州が1,525億8,600万円(同64.8%減)の大幅減となり、同1ヵ月で減少となった。



9月の粗鋼生産702万トン(前年同月比1.7%減)
8月普通鋼建築用受注量41.5万トン(前年同月比7.7%減)

日本鉄鋼連盟は10月23日に発表した2023年9月の銑鉄生産は508.4万トン(前年同月比0.5%増)となり、前年同月比で2ヵ月ぶりの増加。粗鋼生産は702.0万トン(同比1.7%減)となり、同2ヵ月連続減となった。
炉別生産では、▽転炉鋼が514.4万トン(同0.1%増)となり、同2ヵ月ぶりの増加。▽電炉鋼が187.7万とン(同6.2%減)となり、同14ヵ月連続減となった。鋼種別生産では、▽普通鋼が537.0万トン(同1.5%減)となり、同21ヵ月連続減。▽特殊鋼が165.1万トン(同2.2%減)となり、同2ヵ月連続減となった。
▽熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)の生産は632.7万トン(同1.3%増)となり、同2ヵ月ぶりの増加となった。▽普通鋼熱間圧延鋼材の生産は492.8万トン(同1.6%増)となり、同4ヵ月連続増となった。▽特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は139.9万トン(同0.3%増)となり、同1ヵ月ぶりの増加となった。
一方、8月の普通鋼鋼材用途別受注量は、▽建築用が41万5,168トン(前年同月比7.7%減)。うち▽非住宅が30万4,963トン(同9.0%減)、▽住宅が11万0,205トン(同4.0%減)となった。
22年度(4~8月)の用途別受注量では、▽建築用が 213万2,126トン(前同期比12.4%減)。うち▽非住宅が154万1,400トン(同15.2%減)となり、▽住宅が59万0,726トン(同4.2%減)となった。
22暦年(1~8月)の用途別受注量では、▽建築用が348万3,823トン(前年同期比12.3%減)。うち▽非住宅が244万3,128トン(同17.6%減)となり、▽住宅が104万0,695トン(同3.2%増)となった。



8月溶接材料の出荷量0万0,000トン(前年同月比0.0%減)
23年度(4月~8月)の出荷量0万0,000トン(前年同期比0.0%減)

日本溶接材料工業会が発表した2023年8月溶接材料の出荷量が1万6,726トン(同1.4%増)の微増となり、同11ヵ月ぶりに増加となった。
出荷量の主な品種は▽SWが7,199トン(同13.2%増)となり、同3ヵ月連続増。▽FCWが5,331トン(同3.1%減)となり、同2ヵ月連続減。▽溶接棒が1,910トン(同11.3%減)となり、同1ヵ月で減少。その他を含む出荷量計では1万6,726トン(同1.4%増)となった。
23年度(4月~8月)の総出荷量では8万4,106トン(前年同月比1.2%減)。23暦年(1月~8月)の総出荷量では13万4,830トン(同2.5%減)となった。
なお、財務省の貿易統計による8月の▽輸出量は2,269トン(前年同月比16.9%減)となり、前年同月比では3ヵ月連続減。▽輸入量は4,736トン(同10.3%減)となり、同5ヵ月連続減となった。
23年度(4月~8月)の▽輸出量は1万3,142トン(前年同期比10.8%減)。▽輸入量は2万5,172トン(同15.5%減)となった。23暦年(1月~8月)の▽輸出量は2万1,563トン(同6.6%減)。▽輸入量は4万2,592トン(同9.0%減)となった。

22年8月-23年8月 溶接材料月別実績表

生産量 単位/トン
年/年度 ソリッドワイヤ 前年比
フラックス入りワイヤ 前年比
被 覆
溶接棒
前年比
合 計 前年比
2022年度 8 6,360 ▼6.9 5,503 ▼0.6 2,154 ▼8.1 16,497 ▼2.2
9 8,005 ▼2.7 5,948 ▼1.9 2,372 10.1 18,991 0.9
10 7,335 ▼0.6 5,722 ▼9.5 2,186 7.9 17,923 ▼1.0
11 7,630 2.3 5,821 ▼1.9 2,378 3.6 18,250 ▼0.2
12 7,073 ▼8.5 5,376 ▼13.5 2,202 ▼6.2 17,056 ▼8.3
2023暦年 1 6,282 ▼13.6 5,306 ▼4.2 2,382 15.1 16,180 ▼6.9
2 7,156 1.7 5,330 ▼10.4 2,340 10.3 16,961 ▼3.3
3 7,091 ▼10.4 6,096 ▼0.9 2,281 23.6 17,583 ▼3.7
2023年度 4 6,728 ▼6.4 5,660 0.5 1,810 ▼3.9 16,367 ▼2.6
5 6,469 ▼4.8 5,606 1.5 1,972 4.8 16,122 ▼1.0
6 7,554 3.1 5,873 3.2 2,099 ▼11.3 17,740 ▼1.4
7 7,322 6.1 5,403 ▼9.7 2,131 7.8 17,151 ▼2.0
8 7,199 13.2 5,331 ▼3.1 1,910 ▼11.3 16,726 1.4
2023年度(4~8月) 35,272 2.0 27,873 ▼1.6 9,922 ▼3.3 84,106 ▼1.2
2023暦年(1~8月) 55,801 ▼1.8 44,605 ▼3.0 16,925 ▼3.9 134,830 ▼2.5

注:合計はその他の溶接材料を含めたもの。

日本溶接材料工業会

 

【建築プロジェクト】
「天神ビジネスセンター2期計画」は前田建設・旭工務店JV
S造・一部RC造、18階建て、延床6.3万平米は10月着工

福岡市が進めるビル建替え誘導プロジェクト「天神ビックバン」は容積率緩和措置(天神ビックバンボーナス)を受け、天神一丁目761プロジェクト合同会社(福岡地所、九州電力、九電工の特定目的会社)と福岡地所は、天神駅近くに「天神ビジネスセンター2期計画」(福岡市中央区天神1丁目地内)を建設し、10月に着工した。
建設地の敷地面積約4,085平方メートル。建築規模は建築面積約3,514平方メートルに、S造・一部RC造、地下2階・地上18階・塔屋2層建て(高さ約88メートル)、延べ床面積約6万3,206平方メートルの大規模オフィスビルとなる。ビルデザインは建築家・重松象平OMA(Office for Metropolitan Architecture)ニューヨーク事務所代表、設計は前田建設工業・俊設計JV、施工は前田建設工業・旭工務店JV。 2026年6月に完成予定。
同ビルの特徴は、震度7クラスの地震にも被害を受けない耐震構造を採用し、帰宅困難者ステーションの設置など安全安心に配慮。また、バリアフリー化した広場により回遊性を図り、隣接する市庁舎や地下鉄・天神駅への利便性を良くする。さらにビル内での交流の場として地下2階から地上5階まで7層におよぶ吹き抜け空間「アクセラリウム」を整備し、各フロアの賑わいや交流・集客などをサポートする。

【建築プロジェクト】
「自由が丘1丁目29番地区再開発」は鹿島で着工
S造・一部RC造、地上15階、延床4.6万平米

 東京都目黒区の東急東横線・大井町線が交わる自由が丘駅の西側隣接地に建設する「自由が丘1丁目29番地区再開発」の施工者を鹿島に決め、11月から着工する。同再開発ビルは自由ケ丘駅前に立地する15階建ての複合ビルで店舗や住宅、オフィスなどになる。
建築規模は敷地面積3,939平方メートルに、S造・一部RC造、地下3階・地上15階・塔屋1層建て、延べ床面積約4万6,085平方メートル(高さ66メートル)。設計は久米設計が担当。2026年度の完成を目指す。総事業費は約328億円を見込む。
低層の1階~5階に店舗など商業施設、中層の6階をオフィス、7階を商業諸室・機械室、高層の8階~15階に共同住宅(約170戸)を計画。 住戸タイプは1LDK~3LDKを予定。組合員にヒューリックと鹿島建設が参加し、事業コンサルタントに環境企画設計が担当。
 自由が丘駅の周辺地区は、目黒区の「都市計画マスタープラン」(平成16年3月)に沿って、広域生活拠点に位置付けられ、文化性やファッション性の高い店舗など落ち着きがあり、回遊性のある商業地として発展してきた。その一方、再開発周辺地は幅の狭い道路が原因で混雑が発生しやすく、建物の老朽化も課題となっていた。再開発事業を通じ、建物の共同化と不燃化で地域の防災力を高めることになる。


【時論・公論】
電動自転車普及とルール順守

私事ですが、昨年秋に自転車2台買い替えた。普通自転車1台と、もう1台は妻用の電動アシスト自転車(以下、電動車)で、もっぱらスーパーマーケットへの買い物用となる。酷暑の8月に妻が「暫く電動車は乗らない。スーパーの帰り転倒し、足首を痛めた」ことが理由だと言う。女性は荷物を載せたまま倒れると起こすのには難渋する。
高台分譲地の姉宅に行くことになり、妻が「自転車で行くなら、坂だから電動車で行ったら」と諭され、今まで敬遠していた電動車に乗ることにした。電動車をひと漕ぎした時のペダルの軽さに驚いた。長い急坂も楽に登り切った。姉が「ここまでの坂を車でなく自転車で良く来たね」と驚いていた。この電動車の快適さにすっかり魅了された。
それまでは、電動車の前後に幼子を乗せ歩行者の間をすり抜けて走るのを見て、<危ないな~>と思っていたが、自身が電動車に乗ってから少し理解ができた。かつてホンダが開発した自転車に補助エンジン付の通称「バタバタ」と同じ発想だが電動車はガソリン要らずの排ガス無しで、足腰も鍛えられる省エネ型の快適な乗り物だ。
自転車店で、店員曰く「お客さん、2台とも電動車にしたらどうですか!サイクリング車以外は、電動車に人気がありますよ」と強く薦められたが、まだまだ自力でバッテリーの世話にはならないとの気概から「近場を走るだけだから普通車で十分だ」と断った。ひとりで出掛ける時も、妻が「電動車にしたら」と言っても意地でも乗らなかった。
電動車の普及もあって自転車走行が増えたことによる事故も多発している。そして道路交通法によると大人でもヘルメット着用を奨励。道交法では▽自転車に乗る時はヘルメットを被るようにする▽幼児や子どもを乗せる時はヘルメットを被らせなければならない▽保護者は児童が乗る時はヘルメットを被らせければならない—-、と言った内容の条文である。ヘルメット着用は、自転車事故の7割が頭部損傷による致命傷となっているためである。
私の住む地域では、自転車は車道と歩道(双方向)走行することができる。歩道は<歩行者優先>であり、自転車は歩行者に譲るのがルールだが子どもや高齢者らを無視することが目立つ。歩道橋のある狭い側面を歩行者の間を擦り抜けて突入し、ぶつかる事故や交差点を道路交通法無視した走行などを直面することが多くなった。
テレビ・新聞では、東京や千葉・埼玉などの高層住宅内の駐輪場から電動車のバッテリー盗難が急増しているとの報道もある。バッテリーは普通自転車の倍以上する価格なので、盗難対策は欠かせない。両隣は電動車のバッテリー付で駐輪しているが、わが家は律儀にも購入店の忠告を守って、バッテリー取り外して屋内保管している。
【加藤 文雄】