スノウチニュース<№234> 令和6年4月


【鉄骨需要月別統計】
2月の鉄骨系需要量は29万9,0950トン(前年同月比13.3%減)
23年度(4~2月)鉄骨系需要量358万9,000トン(前年同期11.1%減)

国土交通省が3月29日発表した「建築物着工統計調査」の2024年2月着工総面積は7,779千平方メ―トル(前年同月比13.7%減)となり、前年同月比では4ヵ月連続減となった。着工総面積7,000千平方メ―トル台が2ヵ月連続となった。大型再開発などを除けば、建築費高騰もあり建築需要の低水準が続くことになる。
建築主別は、▽公共建築物が342千平方メートル(同8.5%減)となり、同2ヵ月連続減となった。▽民間建築物は7,437千平方メートル(同13.9%減)となり、同4ヵ月連続減となった。
用途別は、▽居住建築物は4,674千平方メートル(同14.2%減)となり、同18ヵ月連続減となった。▽非居住建築物は3,105千平方メートル(同13.0%減)となり、同2ヵ月連続減となった。
構造別では、▽鉄骨造(S造)が2,972千平方メートル(同13.4%減)となり、同3ヵ月ぶりの減少となった。23年4月以来2,000平方メートル台は5回目。▽鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)が55千平方メートル(同5.4%減)となり、同5ヵ月連続減となった。
▽鉄筋コンクリート造(RC造)が1,476千平方メートル(同23.9%減)となり、同2ヵ月連続減となった。▽木造(W造)が3,204千平方メートル(同9.0%減)となり、同26ヵ月連続減となった。
鉄骨需要換算では、▽S造は29万7,200トン(同13.4%減)となり、同3ヵ月ぶりの減少となった。▽SRC造は2,750トン(同5.4%減)となり、同5ヵ月連続減となった。鉄骨系合計では前月比6.5%減の29万9,950トン(同13.3%減)となった。
23年度(4~24年1月)の需要量は、▽S造が351万6,300トン(前年同期比10.5%減)、▽SRC造が7万2,700トン(同32.5%減)となり、鉄骨系合計では358万9,000トン(同11.1%減)となった。
24暦年(1~2月)の需要量は、▽S造が61万4,700トン(前年同期比4.3%減)、▽SRC造が5,950トン(同74.2%減)となり、鉄骨系合計では62万0,650トン(同6.7%減)となった。

23年2月-24年2月 鉄骨系需要量の推移

年/月 S造
(TON)
前年比
(%)
SRC造
(TON)
前年比
(%)
鉄骨造計
(TON)
前年比
(%)
2023年2月 343,200 3.5 2,900 -74.7 346,100 0.9
3月 267,200 -23.9 11,250 123.3 278,450 -21.9
4月 391,200 -3.0 7,900 -46.6 399,100 -4.5
5月 287,400 -15.9 7,500 -50.1 294,900 -17.3
6月 299,300 -29.6 11,100 70.5 310,400 -28.0
7月 313,700 -27.9 10,900 -11.4 324,600 -27.4
8月 290,500 -17.3 8,000 26 298,500 -16.3
9月 320,100 -0.7 5,200 40.6 325,300 0.0
10月 401,550 16.3 8,050 -24.8 409,600 15.1
11月 277,400 -19.7 3,950 -50.8 281,350 -20.4
12月 320,600 0.6 4,100 -42.5 324,700 0.3
2024年1月 317,500 6.2 3,200 -84.1 320,700 0.5
2月 297,200 -13.4 2,750 -5.4 299,950 -13.3
暦年計(24年1~2月) 614,700 -4.3 5,950 -74.2 620,650 -6.7
年度計(23年4~2月) 3,516,300 -10.5 72,700 -32.5 3,589,000 -11.1

(国土交通省調べ)

 

【建築関連統計】
日建連の2月総受注額1兆3,396億円(前年同月比15.7%減)
民間工事は8,459億3,400万円(同15.2%減)

日本建設業連合会(日建連)が27日に発表した会員企業92社の2024年2月分の受注工事総額は1兆3,395億6,600万円(前年同月比15.7%減)となり、前年同月比では4ヵ月ぶりの減少となった。国内工事が1兆2,887億5,400万円(同17.9%減)となり、同1ヵ月で減少に転じた。うち民間工事が8,459億3,400万円(同15.2%減)となった。官公庁工事が4,425億7,500万円(同22.6%減)となった。▽海外工事が508億1,200万円(164.9%増)となった。
民間工事の8,459億3,400万円のうち、▽製造業が2,579億3,400万円(同23.5%増)となり、同1ヵ月で増加となった。▽非製造業5,880億円(同25.5%減)となり、同1ヵ月で減少となった。
官公庁工事の4,425億7,500万円のうち、▽国の機関が3,430億5,400万円(同7.3%減)となり、同5ヵ月ぶりの減少となった。▽地方の機関が995億2,100万円(同50.7%減)の大幅減となり、同4ヵ月ぶりの減少となった。▽その他が2億4,500万円(同33.2%増)となり、同2ヵ月連続増となった。
なお、2023年度(4月~24年2月)の受注総額は14兆6,035億2,800万円(前年同期比4.1%増)となった。うち、▽民間工事が10兆4,030億8,700万円(同4.4%増)、▽官公庁工事が3兆6,875億8,000万円(同7.7%増)、▽海外工事が4,555億9,400万円(同20.9%減)となった。
2月の地域ブロック別受注工事額は、▽北海道が660億0,200万円(前年同月比9.1%減)となり、前年同月比では6ヵ月ぶりの減少となった。▽東北が683億4,900万円(同18.0%減)となり、同3ヵ月ぶりの減少となった。▽関東が6,154億9,000万円(同2.2%減)の微減となり、同1ヵ月で減少となった。▽北陸が795億0,100万円(同115.2%増)の大幅増となり、同1ヵ月で増加となった。
▽中部が1,143億2,100万円(同34.3%減)の大幅減となり、同9ヵ月連続減となった。▽近畿が1,810億9,400万円(同32.4%減)の大幅減となり、同3ヵ月連続減となった。▽中国が226億6,400万円(同60.2%減)の大幅減となり、同3ヵ月連続減となった。▽四国が197億5,100万円(同24.2%増)となり、同1ヵ月で増加となった。▽九州が1,215億7,900万円(同47.8%減)の大幅減となり、同3ヵ月連続減となった。



2月の粗鋼生産量は699万トン(前年同月比1.1%増)
1月普通鋼建築用受注量40.2万トン(前年同月比5.2%増)

日本鉄鋼連盟は3月22日に発表した2024年2月の銑鉄生産は501万トン(前年同月比0.6%増)の微増となり、前年同月比3ヵ月連続増。粗鋼生産は698.9万トン(同1.1%増)の微増となり、同3ヵ月連続増となった。
炉別生産では、▽転炉鋼が512.3万トン(同1.4%増)で微増となり、同2ヵ月ぶりの増加。▽電炉鋼が186.6万トン(同0.1%増)となり、同4ヵ月連続増となった。鋼種別生産では、▽普通鋼が546.7万トン(同1.1%増)となり、同2ヵ月ぶりの増加。▽特殊鋼が152.2万トン(同1.0%増)の微増となり、同2ヵ月連続増となった。
▽熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)の生産は606.3万トン(同1.3%増)の微増となり、同2ヵ月連続増。▽普通鋼熱間圧延鋼材の生産は481.0万トン(同1.3%増)の微増となり、同3ヵ月連続増。▽特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は125.3万トン(同1.4%増)の微増となり、同2ヵ月連続増となった。
1月の普通鋼鋼材用途別受注量は、▽建築用が40万2,421トン(前年同月比5.2%増)。うち▽非住宅が27万8,685トン(同7.2%増)となり、▽住宅が12万3,796トン(同0.9%増)となった。
23年度(4~1月)の用途別受注量では、▽建築用が430万3,816トン(前同期比8.3%減)。うち▽非住宅が303万2,931トン(同10.9%減)となり、▽住宅が127万0,885トン(同1.5%減)となった。



1月溶接材料の出荷量万1万6,020トン(前年同月比1.0%減)
23年度(4~1月)の出荷量16万8,804トン(前年同期比2.9%減)

日本溶接材料工業会が発表した2024年1月溶接材料の総出荷量が1万6,020トン(前年同月比1.0%減)となり、同5ヵ月連続減となった。
出荷量の主な品種は▽ソリッドワイヤ(SW)が6,643トン(前年同月比5.7%増)となり、前年同月比では2ヵ月連続増。▽フラックス入りワイヤ(FCW)が5,348トン(同0.8%増)の微増となり、同2ヵ月連続増。▽被覆溶接棒が1,698トン(同28.7%減)となり、同6ヵ月連続減。その他を含む総出荷量計では1万6,020トン(同1.0%減)となった。
23年度(4月~1月)の総出荷量は16万8,804トン(前年度同期比2.7%減)となった。なお、財務省の貿易統計による1月の▽輸出量は2,558トン(同23.6%減)となり、同8ヵ月連続減。▽輸入量は5,281トン(同18.2%減)となり、同4ヵ月連続減となった。
23年度(4月~1月)の総輸出量は2万6,235トン(前年同期比11.6%減)。総輸入量は5万1,075トン(同15.7%減)となった。

23年1月-24年1月 溶接材料月別実績表

出荷量 単位/トン
年/年度 ソリッドワイヤ 前年比
フラックス入りワイヤ 前年比
被 覆
溶接棒
前年比
合 計 前年比
2023年 1 6,282 ▼13.6 5,306 ▼4.2 2,382 15.1 16,180 ▼6.9
2 7,156 1.7 5,330 ▼10.4 2,340 10.3 16,961 ▼3.3
3 7,091 ▼10.4 6,096 ▼0.9 2,281 23.6 17,583 ▼3.7
2023年度 4 6,728 ▼6.4 5,660 0.5 1,810 ▼3.9 16,367 ▼2.6
5 6,469 ▼4.8 5,606 1.5 1,972 4.8 16,122 ▼1.0
6 7,554 3.1 5,873 3.2 2,099 ▼11.3 17,740 ▼1.4
7 7,322 6.1 5,403 ▼9.7 2,131 7.8 17,151 ▼2.0
8 7,199 13.2 5,331 ▼3.1 1,910 ▼11.3 16,726 1.4
9 7,608 ▼5.0 5,906 ▼0.7 2,085 ▼12.1 17,802 ▼6.3
10 7,443 1.5 5,639 ▼1.5 1,723 ▼21.2 17,083 ▼4.7
11 7,416 ▼2.8 5,782 ▼0.7 1,738 ▼26.9 17,071 ▼6.5
12 7,395 4.6 5,702 6.1 1,712 ▼22.3 16,722 ▼2.0
2024年 1 6,643 5.7 5,348 0.8 1,698 ▼28.7 16,020 ▼1.0
2023年度(4~1月) 71,777 1.2 56,250 ▼0.5 18,878 ▼13.3 168,804 ▼2.7

注:合計はその他の溶接材料を含めたもの。

日本溶接材料工業会

 

【建築プロジェクト】
都立広尾病院建替えは戸田建設グループの設計・施工
 S造、地下1階・地上9階、延床約4.6万平米ほか

東京都立病院機構は都立広尾病院(渋谷区恵比寿2-34-10)の老朽化に伴い建て替えを決めた。同院は1980年に建設され、大規模災害発生時の医療拠点となる都心部勇逸の「基幹災害拠点病院」に指定されている。
建て替え工事は2025年度から診察機能を継続しながら既存施設解体と病院建設工事を進める。新病院は28年度内に手術室など一部オープンにし、新病院の全体は31年4月に完成させる計画。
新広尾病院棟の建築規模はS造、地下1階・地上9階建て、延べ床面積約4万5,916平方メートル。また、職員宿舎棟はS造、地上5階建て、同1,879平方メートル。新病院建設後に建設する広尾看護専門学校棟はS造、地上4階建て、同7,350平方メートル(34年4月の完成)。設計・施工は戸田建設グループが担当する。
災害時の都心部の拠点病院と位置づけ、1日最大4,000人超の患者に対応できるようにする。病床数は現在の426床から約400床へと減らすが、災害時には建物内のスペースを活用し800床程度に増やす体制を整える。平時の外来患者数は1日当たり850人を見込み、災害時はこの5倍程度の患者の受け入れに対応する。
災害対応として、非常用の電源設備を設置し3日分以上の燃料を確保する。水も3日分以上貯めて置き、災害用の井戸も整備する。島しょなどからの患者搬送に備えた屋上のヘリポートと直通可能な救急用のエレベーターも用意する。
戸田建設グループが受注金額は975億0,697万6,600万円(税込み、落札率99.98%)。グループ会社は綜合警備保障、三菱HCキャピタル、東武ビルマネジメント。協力会社にはエフエスユニマネジメント、オリックス・ファシリティーズ、サカタのタネグリーンサービス、佐藤総合計画、柴橋商会、センコー、日本メガケア、ネクサス、パースジャパン。


【時論・公論】
物価高騰と鉄骨単価値上げ

今年の春闘は、政府の後押しもあり大手労組は軒並み満額回答を得て、30年ぶりの高水準となった。中でもミルメーカーは10%超と大幅回答や要求額を超える回答もあった。建設業も5%超の賃上げ率を獲得した。この情報は大手企業労組のベースアップであって、中小・零細企業では満足な回答を得られていないのが実情である。
他方、混沌とした世界情勢から石油・天然ガスなどエネルギー高騰と歴史的な円安もあり、電力や原材料の値上げが物価上昇の要因。鉄骨製作の鉄骨ファブリケーター業界でも受注単価の引き上げが課題になっている。
昨今の諸物価高騰に際し、国土交通省は先月16日に公共事業の積算に用いる新しい「公共工事設計労務単価と設計業務委託等技術者単価」を公表した。それによると、労務単価は全国・全職種の単価平均で5.9%、技術者単価は全職種の単純平均で5.5%引き上げる。いずれも前年度を上回り過去10年で最大伸び率となった。
新しい労務単価は全職種平均日額2万3,600円となる。今回の伸び率は直近の物価上昇率を超えるとともに、国交省と建設業4団体が23年の賃金上昇率の目標「おおむね5%」を労務単価ベース上回る水準になっている。
公共工事に従事する現場労働者の8割を占める主要12職種(とび工、鉄筋工、型枠工、大工など)の平均日額は2万,2100円。一方、鉄骨ファブに多い鉄骨工が2万6,300円、溶接工が2万9,500円。この2職種の地域別では、北海道が鉄骨工2万8,700円、溶接工3万0,100円▽東北が同2万8,200円、同2万9,400円▽北関東が同2万6,200円、同3万1,500円▽首都圏が同2万7,600円、同3万3,000円▽甲信越が同2万7,500円、同3万0,900円▽北陸が同2万8,700円、同3万円▽中部が同2万9,200円、同3万2,000円。
近畿が同2万5,300円、同2万9,600円▽中国が同2万3,400円、同2万5,600円▽四国が同2万4,600円、同2万7,000円▽九州が同2万4,000円、同2万7,200円▽沖縄が同2万2,700円、同2万7,200円である。平均日額が高いのは鉄骨工が中部の2万9,200円、溶接工が首都圏の3万3,000円となっている。
建設業界は人件費と諸経費(鋼材・電力・輸送)の高騰で工事費も高くなっている。23暦年の建築工事額の平方メートル当たりが25万6,900円(前年比14.7%増)、鉄骨造が28万1,100円(同16.4%増)に上昇した。
23暦年鉄骨需要量391万トンで、リーマン・ショック後の09暦年の411万トンを下回わった。かつて鉄骨ファブ業界は需要減により苛烈な値下げ競争を繰り返したが、現今は協調し公共工事に準じた見積もりで臨んでいる。

【加藤 文雄】