スノウチニュース<№168>平成30年10月

【鉄骨需要月別統計】
8月鉄骨需要44万0,000トン(前年同月比6.2%減)
18年(4~8月)227万3,050トン(前年同期比0.9%減)

国土交通省が9月28日発表した「建築物着工統計調査」の2018年8月着工総面積は1万0,906千平方メ―トル(前年同月比4.9%減)の前年同月比では1ヵ月で減少になった。1千万平方メートルは5ヵ月連続となった。

▽建築主別は、公共建築物が421千平方メートル(同31.4%減)となり、同5ヵ月連続減となる。民間建築物は1万0,485千平方メートル(同3.4%減)となり、同1ヵ月で減少になった。1千万平方メートルは同5ヵ月連続となった。

▽用途別は、居住建築物は6,703千平方メートル(同0.8%減)となり、同14ヵ月連続減が続いた。非居住建築物は4,204千平方メートル(同10.9%減)となり、同1ヵ月で減少に転じた。

▽構造別は、鉄骨系のS造は4,385千平方メートル(同4.6%減)となり、同1ヵ月で減少に転じた。SRC造は30千平方メートル(同84.5%減)となり、同1ヵ月で減少となった。RC造は1,575千平方メートル(同11.2%減)の同6ヵ月連続減となった。木造は4,801千平方メートル(同0.6%減)の同15ヵ月連続減が続いている。

▽鉄骨需要換算では、S造は43万8,500トンとなり、5ヵ月連続で40万トン台を確保した。SRC造は1,500トンとなった。鉄骨計では前年同月比6.2%減の44万0,000トンとなり、前月比で9.4%減となったが、8ヵ月連続で40万トン台を維持した。18年4-8月累計では227万3,050トン(前年同期比ほぼ0.9%減)となった。

17年8月-18年8月 鉄骨需要量の推移

S 造 前年比 SRC造 前年比 鉄骨造合計
8 459,500 -7.2 9,800 306.9 469,300
9 440,900 0.2 8,800 -2.5 449,700
10 410,300 2.2 12,300 116.8 422,600
11 452,700 9.0 12,900 296.5 465,600
12 365,200 -10.4 6,350 -27.4 371,550
18/1 396,000 -7.1 5,900 -7.7 401,900
18/2 369,500 -7.6 34,050 44.9 403,550
18/3 391,600 15.5 10,600  94.6 402,200
18/4 432,300 -0.7 6,650 -31.6 438,950
18/5 427,500 -1.9 8,200 -6.8 435,700
18/6    471,200 -1.7 1,800   -80.9 473,000
18/7    472,400 8.8 13,000    20.3 485,400
18/8    438,500 -4.6 1,500   -84.5 440,000

(国土交通省調べ)

【建築関連統計】
日建連8月受注額約1兆0,221億円(前年同月比6.7%増)
民間工事額約6,666億円(前年同期比1.1%減)

日本建設業連合会(日建連)が8月28日に発表した会員企業97社の2018年8月受注工事総額は1兆0,221億1,200万円(前年同月比6.7%増)となり、1兆円台に戻った。また、前年同月比では4ヵ月ぶりの増加となる。うち民間工事は6,656億8,300万円(同1.1%増)となり、微増ながら同1ヵ月で増加に戻った。官公庁工事は3,384億1,000万円(同17.8%増)となり、同4ヵ月ぶりに増加となった。

国内工事は1兆0,111億9,300万円(同6.8%増)となり、同4ヵ月ぶりに増加となった。民間工事の6,656億8,300万円のうち、▽製造業が1,936億0,900万円(同39.7%増)となり、同4ヵ月連続の大幅増が続いた。▽非製造業は4,740億7,400万円(同9.2%減)となり、同4ヵ月連続減となった。

官公庁工事は3,384億1,000万円のうち、▽国の機関が2,102億5,600万円(同38.2%増)となり、同4ヵ月ぶりに大幅増となる。▽地方の機関は1,281億5,400万円(同5.2%減)となり、同10ヵ月連続減となった。▽その他が71億万円(同370.8%増)の大幅増となり、同8ヵ月連続増となった。なお▽海外工事は109億1,900万円(同0.7%増)となり、微増ながらも同3ヵ月連続増となった。

一方、8月分地域ブロック別の受注工事額は、▽北海道330億9,700万円(前年同月比18.8%減)となり、前年同期比では1ヵ月で減少に転じた。▽東北896億7,700万円(同37.9%増)となり、同4ヵ月ぶりに大幅増となる。▽関東4,609億3,600万円(同16.0%減)となり、同6ヵ月連続の大幅減が続いた。▽北陸186億7,500万円(同24.7%減)となり、同1ヵ月で大幅減となった。

▽中部1,173億6,100万円(同88.8%増)となり、同1ヵ月で大幅増に転じた。▽近畿1,269億5,300万円(同4.9%増)となり、同2ヵ月連続増となった。▽中国258億4,300万円(同18.5%減)となり、同2ヵ月連続減となった。▽四国130億7,200万円(同16.7%減)となり、同4ヵ月ぶりの減少となる。▽九州1,255億7,800万円(同236.6%増)の大幅増となった。

地域ブロックにおける前年同月比の増減では、東北、中部、近畿、九州の4ブロックが増加となり、北海道、関東、北陸、中国、四国の5ブロックが減少となった。

8月粗鋼生産881万トン(前年同月比0.9%増)
普通鋼鋼材7月建築用52.6万トン(同5.9%減)

日本鉄鋼連盟が21日に発表した2018年8月の鉄鋼生産は、銑鉄、粗鋼は前月比、前年同月比とも増加した。熱間圧延鋼材は前月比では増加したが、前年同月比では減少した。銑鉄生産は675.0万トン(前年同月比1.1%増)となり、前年同月比では2ヵ月ぶりの増加となった。粗鋼生産は880.5万トン(同0.9%増)となり、同2ヵ月ぶりの増加となった。

炉別生産では、▽転炉鋼が681.3万トン(同0.5%増)となり、同2ヵ月ぶりの増加、▽電炉鋼が199.2万トン(同2.2%増)となり、同23ヵ月連続増となった。鋼種別生産では、▽普通鋼が667.8万トン(同0.1%増)となり、▽特殊鋼が212.7万トン(同3.3%増)となり、普通鋼、特殊鋼ともに同2ヵ月ぶりに増加となった。

▽熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は772.5万トン(同1.2%減)となり、同2ヵ月連続減となった。▽普通鋼熱間圧延鋼材の生産は604.2万トン(同2.1%減)となり、同2ヵ月連続減となった。▽特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は168.3万トン(同1.9%増)となり、同2ヵ月ぶりの増加となった。

7月の普通鋼鋼材用途別受注量による▽建築用が52万5,723トン(前年同月比5.9%減)となった。うち▽非住宅用が37万1,318トン(同1.9%減)、▽住宅用が15万4,405トン(同14.3%減)となった。

2018年4~7月累計では、▽建築用が221万7,545トン(前年同期比8.1%増)となり、▽非住宅が160万1,345トン(同11.5%増)、▽住宅が61万6,200トン(同0.2%増)となった。

7月溶接材料の出荷量2万0,550トン(前年同月比4.2%減)
18年1~7月の出荷量14万1,150トン(前年同期比5.0%減)

日本溶接材料工業会がまとめた2018年7月の溶接材料生産・出荷・在庫実績によると、生産量は前年同月比で8.9%減の2万0,468トンの3ヵ月連続減となり、出荷量も同4.2%減の2万0,550トンとなり、7ヵ月連続減となっている。在庫量は2.0%減の1万7,493トンとなった。18年1-7月では生産量は前年同期比で4.6%減の14万0,143トン、出荷量では同5.0%減の14万1,150トンとなった。

7月の生産量は、▽ソリッドワイヤ(SW)は8,437トン(前年同月比5.2%減)の同3ヵ月連続減。▽フラックス入りワイヤ(FCW)は7,242トン(同5.7%減)となり、2ヵ月連続減。▽被覆アーク溶接棒は1,858トン(同29.9%減)となり、同4ヵ月連続減となった。その他を含む生産量計は2万0,468トン(同8.9%減)となった。

出荷量は、▽ソリッドワイヤ(SW)が8,367トン(同0.4%減)となり、同6ヵ月連続減。▽フラックス入りワイヤ(FCW)は7,011トン(同6.4%減)となり、同7ヵ月連続減。▽被覆アーク溶接棒は2,251トン(同7.2%減)となり、同12ヵ月連続減となる。その他を含む出荷量計は2万0,550トン(同4.2%減)の5ヵ月連続減となった。

 

【建築プロジェクト】
「渋谷駅桜丘口地区再開発」は延床25万超平米
39階建てなど3棟は鹿島・戸田建設JV

JR渋谷駅南西側で計画する市街地再開発の「渋谷駅桜丘口地区市街地再開発」は、建設区域は桜丘町1ほか区域面積約2.6ヘクタールで、国道246号南側に位置し、JR山手線に接する。桜丘町内にある中渋谷教会を除く、既存建物59棟(総面積約6.2万平方メートル)の解体工事を19年12月に完了する。

建設工事は、▽A街区(敷地8,073平方メートル)は超高層ビルのS造・SRC造、地下4階・地上39階建て、延べ床面積約18万4,800平方メートル(高さ180メートル)を建設し、事務所・店舗・駐車場など複合ビル。

▽B街区(敷地8,479平方メートル)は複合ビルのRC造・S造・SRC造、地下2階・地上29階建て、同6万9,200平方メートル(同133メートル)には住宅・事務所・店舗・サービスアパートメント・駐車場となる。20年5月の着工を目指し、A・B街区工事は23年11月末の完成を予定している。

▽C街区(同418平方メートル)は中渋谷教会などが入るRC造・S造、地上4階建て、同830平方メートル(同17メートル)の建物となり、工期は19年7月~20年5月を見込んでいる。

本体工事の施工者を鹿島・戸田建設JVが担当する。同JVは既存施設群の解体工事も施工する。3街区の設計はA街区を鹿島が担当し、B街区とC街区を戸田建設が担当する。今秋の権利変換計画認可を経て、19年1月に既存建物の解体工事を開始し、本体工事は19年5月からA街区により順次着工する。23年11月末の全体完成を目指すとしている。

 

【雑論・正論】
統計資料への信頼性

財務省の公文書改ざん問題、厚生労働省の杜撰な裁量労働調査などに次ぎ、さらに障害者雇用率の水増し問題が露見した。水増し問題は中央省庁から地方行政まで波及。国民は、政府や官公庁が発表する統計(データ)に絶対の信頼を置いていただけに、度重なる中央省庁の改ざん問題や杜撰調査などに困惑以上のものがある。

国家公務員の業務には総合戦略や政策課題の企画立案がある。その基礎データになる統計づくりも重要な仕事である。その業務の多くをアウトソーシング(外注化)するため、<年金入力ミス>なども含め管理に緩みも起きている。その背景には、「国民奉仕よりも、内閣府・省益や政治家への忖度」に起因し、倫理感が問われている。

国家公務員の倫理行動規準の第1項は「職員は、国民全体の奉仕者であり、国民の一部に対してのみの奉仕者ではないことを自覚し、職務上知り得た情報について国民の一部に対してのみ有利な取扱いをする等国民に対し不当な差別的取扱いをしてはならず、常に公正な職務の執行に当たらなければならないこと」(以下の項目略)と倫理を説き、内閣府・省庁、政・財界への忖度などを厳しく戒めている。昨今、その規範意識が希薄になっている。

ところで、官公庁が発表する公的統計に、杜撰な調査や文書改ざんがあれば、国家戦略や政策に大きな瑕疵が生じ、取り返しのつかない問題となる。統計をベースに記事・報道するマスメディアにとっては誤報では済まされない問題である。民間企業にとって営業政策や販売戦略、生産計画、設備投資に狂いが生じ大きな損害を被る。

統計法(目的)第1条「この法律は、公的統計が国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報であることに鑑み、公的統計の作成及び提供に関し基本となる事項を定めることにより、公的統計の体系的かつ効率的な整備及びその有用性の確保を図り、もって国民経済の健全な発展及び国民生活の向上に寄与する」とある。官僚は、<謙虚・丁寧>な嘘つきより<正直・公正>な誠実さを求められる。

公的統計のほか、産業団体や民間調査機関でも各種統計を公表している。「スノウチニュース」でも、「建築着工統計調査」(国土交通省)、「鉄鋼生産速報」(日本鉄鋼連盟)、「建設受注調査」(日本建設業連合会)などの統計を引用した記事が掲載されている。業界、企業は需給の目安や事業政策、営業方針などに活用されている。

統計づくりは人的作業のため、意図的な作為の入り込む余地がある。したがって、厳格な倫理規範が求められている。一連の不祥事で、国民の信頼性を大きく損なった。国の統計や文書管理は<民主主義>の骨幹である。

【加藤 文雄】